2023年6月、世界経済フォーラムが各国の男女格差を測るジェンダーギャップ指数を発表し、日本は146カ国中125位と過去最低となった。
そのような状況を受けて、政府は2023年6月、政府は男女共同参画の推進に向けた重点方針として「女性版骨太の方針2023」を決定。
2030年までに女性役員の比率を30%以上に引き上げることを目標に掲げる他、管理職や役員への女性登用に向けて企業経営を担う女性リーダーの育成の推進も定められている。
そこでプロフェッショナルバンクは、上場企業または従業員1,000人以上の大手企業の人事責任者・担当者を対象に、「上場・大手企業の女性活躍推進の実態」に関する調査を実施した。
管理職の女性比率「10%未満」が最多!上場・大手企業の女性活躍推進の実態調査
上場企業または大手企業の人事責任者・担当者に、会社の女性社員(正社員)比率について質問したところ、『30%以上~40%未満(28.0%)』という回答が最も多く、次いで『20%以上~30%未満(27.9%)』『40%以上~50%未満(15.0%)』と続いた。
30%以上~40%未満という回答が最多となった一方で、10%未満という企業も一定数いることが判明。
また、会社の管理職における女性比率について質問したところ、『10%未満(26.6%)』という回答が最も多く、次いで『10%以上~20%未満(26.1%)』『20%以上~30%未満(21.6%)』という結果に。
これにより女性管理職比率が30%未満の企業は7割以上にも上ることが分かった。
さらに、会社で女性管理職が最も多い部門を質問したところ、『人事(18.3%)』という回答が最も多く、次いで『総務(16.0%)』『経理(12.0%)』と続いた。
女性管理職を登用する際に優先させていることを質問したところ、9割以上が『既存社員の昇進(91.4%)』と回答。
女性活躍・定着の取り組みについて質問したところ、『出産・育児へのサポート(49.5%)』という回答が最も多く、次いで『社内の意識改革(44.6%)』『多様なキャリアを選べる仕組みづくり(36.4%)』と続き、制度の充実と意識改革の両面から取り組みを推進していることが分かった。
次に、会社にとって女性活躍を推進するメリットを質問したところ、『女性社員の採用促進(38.6%)』という回答が最も多く、次いで『女性視点でのイノベーションや商品開発の促進(37.3%)』『企業イメージのアップ(32.2%)』と続いた。
活躍している女性社員のロールモデルがいることで、女性社員の採用やイメージアップにつながっていることが分かる。
女性管理職を登用する際は9割以上が「既存社員の昇進」を優先する一方で、女性活躍推進のメリットは「女性社員の採用促進」という回答が最も多くなっている背景として、管理職に登用できる女性社員自体が少ないことがあげられる。
欧米では管理職の登用として外部採用を重視する企業も多いため、女性管理職比率を向上させるためには、より外部採用を促進することも必要だ。