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排他的という言葉の意味を正しく理解できているか、また、適切に使えているか自信が持てない方もいるかもしれません。
排他的という言葉が入った用語でよく知られているのは、「排他的経済水域」です。何気なく聞き流していて、排他的がどんな意味合いで使われているかを考えたことがなかった人も多いでしょう。
今回は、排他的の意味や使い方、類似表現などを解説します。
排他的とは?
「排他的」は「はいたてき」と読み、自分の仲間以外の者を排除して受け入れない傾向があることを意味する言葉です。排他的の詳しい意味と使い方を解説します。
参考:デジタル大辞泉
■排他的の意味
排他的とは、部外者を退けて、受け入れない傾向にあることを意味する表現です。
「排他」は特定の人間や主義主張のみを優遇し、その他を退けるという意味であり、異なる価値観に不寛容な様子を表します。
さらに、「その傾向がある」という意味の語句である「的」が加わったのが、排他的という表現です。
参考:デジタル大辞泉
■使い方と例文
排他的は、ビジネスや政治、経済などで使われる言葉です。人や組織の傾向を表す言葉として用いられることが多いといえるでしょう。排他的という言葉を使った例文は、以下のとおりです。
【例文】
・そのような発言をしていたら、排他的な思想の持ち主と思われても仕方ないだろう
・彼は排他的な性格をしているため、この提案は受け入れないはずだ
・会社の排他的な雰囲気に耐えきれず、転職を決意した
・この地域には排他的な人が多いような気がする
・我が社はこの区域内での排他的な販売権を保有している
排他的を使った用語
排他的という言葉を使った用語には、「排他的経済水域」や「排他的論理和」などがあります。それぞれの意味を解説します。
■排他的経済水域
「排他的経済水域」とは、沿岸国が天然資源の調査・開発や、漁業活動の管理などの権利を認められた水域のことです。具体的には、沿岸から200海里(約370キロメートル)以内のエリアを指します。排他的経済水域は、英語では「Exclusive Economic Zone」であり、略して「EEZ」とも呼ばれます。
経済水域に認められているのは経済的権利だけでなく、人工島の建設や海洋科学調査に関する管轄権も含まれていることが特徴です。
なお、排他的経済水域の外側は公海で、原則どの国も自由に海洋調査を行えます。
参考:デジタル大辞泉
■排他的論理和
「排他的論理和(はいたてきろんりわ)」は、論理演算の1つで、「XOR演算」とも呼ばれます。
排他的論理和は、2つのうち1つだけ正しい場合のみ真とみなし、2つとも正しい、あるいは2つとも間違っている場合は偽とみなす演算です。両者ともに正しい場合に真とならないことを、「排他的」と表現しています。
たとえば、サッカーチームと野球チームに所属しているかどうかを考える場合、排他的論理和では、「サッカーチームに所属している」、あるいは「野球チームに所属している」場合のみ真とみなします。2つのうち、1つのみが成り立つ場合を真とするためです。
コンピューターでこのような演算を行う論理回路では、電流が流れる場合を真、流れない場合を偽に対応させ、XOR回路などと呼びます。
参考:デジタル大辞泉
排他的の類似表現
排他的という言葉には、いくつかの類似表現があります。たとえば、「閉鎖的」「独占的」「不寛容」などが該当します。それぞれの意味をみていきましょう。
■閉鎖的
「閉鎖的」とは、自分自身や仲間内の殻に閉じこもり、外部の者を受け入れないことです。自分や仲間以外の者を拒絶するのは排他的と同じですが、拒絶方法が異なります。
排他的は仲間以外を退けて拒絶するのに対し、閉鎖的は殻にこもって拒絶するところが相違点といえるでしょう。「閉鎖的な社会」「閉鎖的な性格」などと使います。
参考:デジタル大辞泉
■独占的
独占的とは、他を排除して自分ひとりだけのものにすること、あるいはその傾向があることを意味する言葉です。
他を排除するところは排他的と同じですが、独占的は「ひとりじめする」というニュアンスが強い点が特徴的といえます。「独占的な使用」のように使います。
参考:デジタル大辞泉
■不寛容
不寛容の読み方は「ふかんよう」で、心が狭く、人の言動を受け入れず、罪や欠点を厳しくとがめることを意味する言葉です。
特定の価値観を持つことを強要する、あるいは特定の価値観を受け入れない社会を「不寛容な社会」と呼ぶことがあり、これは排他的な社会と言い換えることも可能でしょう。
参考:デジタル大辞泉