「諸事情」の類義語
諸事情の類義語には、以下のようなものが挙げられます。
・諸般の事情
・仔細
・込み入った事情
・特別な事情
・諸々の都合
・やむを得ない事情
それぞれの表現の意味や使い方を確認しましょう。
■諸般の事情
諸般の事情は「しょはんのじじょう」と読み、諸事情と同じような意味で使用できます。「諸般」は、さまざま、いろいろな事柄といった意味の言葉です。
「諸般の事情により、今回のイベントは中止いたします」のように使います。
参考:デジタル大辞泉
■仔細
仔細の読み方は「しさい」で、詳しい事情や特別の理由などを意味する言葉です。諸事情と同じ場面で使うことが可能です。
「仔細があり、お話ができない」などと使います。
参考:デジタル大辞泉
■込み入った事情
込み入った事情という表現も、諸事情と似たようなニュアンスで使える言葉です。複雑な事情があり、説明が難しいといった意味合いを含みます。
「込み入った事情があり、参加を見送ります」といったように使用します。
■特別な事情
諸事情の類似表現として、特別な事情という表現も挙げられるでしょう。いずれも、なにかしらの事情があることを伝える表現です。
ただし、諸事情に比べるとかしこまった印象に欠けるため、社内での使用にとどめておくことが無難といえるでしょう。
「特別な事情により、今週の会議は延期になりました」などと使います。
■諸々の都合
諸々の都合は「もろもろのつごう」と読み、さまざまな都合という意味の表現です。諸事情と同様に、詳しい事情の説明を省略する際に用いられます。
「諸々の都合により、プロジェクトのスタートが変更しました」といった、使い方をします。
■やむを得ない事情
やむを得ない事情も、諸事情と似た表現の1つです。「やむを得ない」には、そうするより仕方がないといった意味があり、どうしようもない事情を表す言葉です。
「部長は、やむを得ない事情で1時間ほど遅れて到着します」というように使います。相手に対して、どうしようもない事情であるため、詳細の説明は省かせてほしいことを暗に伝える効果があります。
ただし、諸事情のように個別には説明できない、不特定多数のそれぞれの理由を表す表現ではないため使い方に注意しましょう。
「諸事情」は便利な表現だが使いすぎに注意
諸事情は、さまざまな事情や諸々の事情などの意味を表す言葉です。理由を明らかにしたくないときや、複雑で伝えにくい状況を説明する際に便利な表現といえるでしょう。
ただし、ミスや失敗をしたときなど説明を行う責任がある際や、理由が明確な場合などに使うのは控えるのが賢明です。
便利な表現であるがゆえに多用してしまいがちですが、時と場合に応じて適切に使用するようにしましょう。
構成/橘 真咲