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ビジネスシーンでよく聞く「諸事情」の正しい使い方と注意点

2024.06.13

ビジネスシーンで耳にすることのある「諸事情」という表現ですが、使い方が正しいかどうか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

頻繁に使ったり、説明義務があるときに使ったりすることは避けましょう。「諸事情」の意味や使い方、似た表現などをまとめました。

「諸事情」とは?

■意味

諸事情とは、「さまざまな事情」や「諸々の事情」などの意味を持ち、さまざまな都合を婉曲に示す言葉です。

何かを断る際などに、その理由や事情を明らかにしたくないときや、複雑で説明しにくい状況などにおいて使える、便利な表現といえるでしょう。

参考:デジタル大辞泉

「私事」や「私用」との違い

「私事」や「私用」は、諸事情よりも、個人的な都合であるというニュアンスを含みます。そのためビジネスシーンでは、自分の都合や私生活に関することを伝えたいときには、私事や私用を使うとよいでしょう。

たとえば、「私事で恐縮ですが、明日は通院の予定があるため、午後から出社いたします」「私用のため懇親会は欠席いたします」などと使います。

一方で諸事情は、「諸事情につきイベント参加は見送らせていただきます」「部長の◯◯は諸事情のため欠席しております」など、個人的な事情のニュアンスを出さずに婉曲に状況を説明するのに適しています。

「私情」との違い

「私情」は、個人的な感情や、利己的な心という意味の言葉です。私情の「情」は感情を表し、事情や理由を表す諸事情とは意味が異なります。

そのため、言葉の響きは若干似ていますが、「私情のため参加を見送らせていただきます」のような使い方は失礼な印象を与えます。使い方を誤らないように注意しましょう。

参考:デジタル大辞泉

「諸事情」の使い方と例文

理由の詳細や込み入った事情を説明する必要のない諸事情という言葉は、ビジネスシーンでの活用頻度が高い表現の1つです。諸事情の使い方を、例文を参考にして確認しましょう。

【例文】

・諸事情により、今回の採用は見送らせていただきます

・諸事情を鑑みて、プロジェクトのスケジュールを変更いたします

・諸事情により、一部の顧客の支払いが遅れることが想定される

「諸事情により」とすることで、具体的な理由を述べなくても、相手にそれ以上は説明ができないことを暗に伝えることが可能です。

また、「諸事情を鑑みて」と表現すると、単に事情があるだけではなく、さまざまな検討を重ねた結果の決定というニュアンスを伝えられます。

そのほか、諸事情は、個別には説明できない不特定多数のそれぞれの理由を伝える際にも用いられます。

「諸事情」に関する注意点

諸事情は、さまざまな都合を婉曲に表現できるため便利な表現ですが、使い方を誤ると不信感を与える可能性があります。

また、「諸事情で」と相手から言われた際の対応にも注意が必要です。ここでは、諸事情という言葉に関する注意点を解説します。

説明が必要なことには使わない

諸事情という言葉は、説明責任がある場合に使うことは控えましょう。

たとえば、自分のミスや失敗で相手に迷惑をかけたときに、その理由を「諸事情で」と片付けるのはマナー違反です。部下が「諸事情により遅刻いたします」と報告してきた場合、上司は、理由や事情を具体的にすべきだと考えるでしょう。

ミスや失敗をしたときに、理由や事情を諸事情という言葉でうやむやにしようとすると、相手の感情を逆撫でしてしまう可能性が高いため、時と場合によって使用が適切かを判断しましょう。

頻繁に使わない

諸事情が便利な表現だからといって、頻繁に使うことはおすすめできません。諸事情は、相手への説明を省略するための言葉です。そのため、頻繁に使用していると、相手に対して誠意に欠ける印象を与えかねません。

諸事情という表現を多用することは避け、伝えられない理由や事情がある際は、「大変心苦しいですが」などのクッション言葉を交えることを意識するとよいでしょう。

理由が明確なときには敢えて使わない

理由が明確なときには、諸事情という表現を敢えて使わないのが賢明です。

理由が明確であるにもかかわらず、「諸事情で」と説明すると、もったいぶっているような印象を与えてしまうでしょう。便利な表現だからといって安易に使わず、状況や相手に応じて使用するようにしましょう。

相手の諸事情は詮索しない

相手から「諸事情で」と言われた場合は、それ以上詳しく詮索しないのがマナーです。諸事情という言葉の背景には、言いたくない理由や、なんらかの事情が存在している可能性があります。

そういった相手の心情を汲むことが、相手との良好な関係性を維持していくうえでは大切です。

「諸事情」の類義語

諸事情の類義語には、以下のようなものが挙げられます。

・諸般の事情

・仔細

・込み入った事情

・特別な事情

・諸々の都合

・やむを得ない事情

それぞれの表現の意味や使い方を確認しましょう。

諸般の事情

諸般の事情は「しょはんのじじょう」と読み、諸事情と同じような意味で使用できます。「諸般」は、さまざま、いろいろな事柄といった意味の言葉です。

「諸般の事情により、今回のイベントは中止いたします」のように使います。

参考:デジタル大辞泉

仔細

仔細の読み方は「しさい」で、詳しい事情や特別の理由などを意味する言葉です。諸事情と同じ場面で使うことが可能です。

「仔細があり、お話ができない」などと使います。

参考:デジタル大辞泉

込み入った事情

込み入った事情という表現も、諸事情と似たようなニュアンスで使える言葉です。複雑な事情があり、説明が難しいといった意味合いを含みます。

「込み入った事情があり、参加を見送ります」といったように使用します。

特別な事情

諸事情の類似表現として、特別な事情という表現も挙げられるでしょう。いずれも、なにかしらの事情があることを伝える表現です。

ただし、諸事情に比べるとかしこまった印象に欠けるため、社内での使用にとどめておくことが無難といえるでしょう。

「特別な事情により、今週の会議は延期になりました」などと使います。

諸々の都合

諸々の都合は「もろもろのつごう」と読み、さまざまな都合という意味の表現です。諸事情と同様に、詳しい事情の説明を省略する際に用いられます。

「諸々の都合により、プロジェクトのスタートが変更しました」といった、使い方をします。

やむを得ない事情

やむを得ない事情も、諸事情と似た表現の1つです。「やむを得ない」には、そうするより仕方がないといった意味があり、どうしようもない事情を表す言葉です。

「部長は、やむを得ない事情で1時間ほど遅れて到着します」というように使います。相手に対して、どうしようもない事情であるため、詳細の説明は省かせてほしいことを暗に伝える効果があります。

ただし、諸事情のように個別には説明できない、不特定多数のそれぞれの理由を表す表現ではないため使い方に注意しましょう。

「諸事情」は便利な表現だが使いすぎに注意

諸事情は、さまざまな事情や諸々の事情などの意味を表す言葉です。理由を明らかにしたくないときや、複雑で伝えにくい状況を説明する際に便利な表現といえるでしょう。

ただし、ミスや失敗をしたときなど説明を行う責任がある際や、理由が明確な場合などに使うのは控えるのが賢明です。

便利な表現であるがゆえに多用してしまいがちですが、時と場合に応じて適切に使用するようにしましょう。

構成/橘 真咲

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