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「夜分遅くにすみません」を深く考えずに安易に使った経験はないだろうか?夜遅いという感覚は人それぞれであり、相手の環境によって使い分けなければならない。
また、「夜分」についても詳細な意味を理解して使用するのが望ましい。本記事では「夜分遅くにすみません」が何時頃から適切か、使い方や注意点を解説する。言い換えについても補足するので、ぜひ最後までご覧いただき、使い方をマスターしてほしい。
「夜分遅くにすみません」の意味とは?
「夜分遅くにすみません」は、夜間連絡のお詫びを示す意味合いを持つ。許可なく連絡をすることへの謝罪の意が込められているのだが、以下より詳細を見ていこう。
■「夜分遅く」は何時頃から?
「夜分遅く」は何時頃からとなっているかは、正式な定めが実は存在していない。では「夜分」について辞書を引いてみたので、意味を見てみよう。
よる。夜中。「—失礼いたします」 引用:デジタル大辞泉(小学館) |
このように、夜や夜中を指しているため、具体的な時間帯は決まっていない。20時からと考える人もいれば、22時頃からが遅いと感じる人もいるので覚えておこう。
「夜分遅くにすみません」の使い方と例文
「夜分遅くにすみません」は言葉から察せるように、ビジネスの場をメインとして活用できる。ポイントは、冒頭に入れることへの意識だ。なお、ビジネスシーン以外にも使えるため、2つの例文を見ていこう。
■緊急で上司に連絡をした際の例文
最もビジネスシーンに向く「夜分遅くにすみません」は、以下のように使える。
・「夜分遅くにすみません。急遽お客様から仕様の変更を申されまして、翌日会議を開いていただきたくご連絡いたしました」
最初に「夜分遅くにすみません」とお詫びをすることで、失礼を緩和する効果がある。
■夜間に訪問をした際に使う例文
ビジネスシーン以外で使える「夜分遅くにすみません」の例文は以下の通り。
・「夜分遅くにすみません。本日隣に引っ越してきた◯◯と申します。ご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします」
ご近所付き合いの観点から、引っ越しの挨拶をする例文である。22時ではなく、19時〜20時頃を目安にするのが望ましい。
「夜分遅くにすみません」を使う際の注意点
「夜分遅くにすみません」は、簡単に用いないことと、時間帯への配慮が欠かせない。以下より「緊急性」「時間帯」に着目した注意点を述べるので、早速見ていこう。
■謝罪の意を込めれば良いわけではない
「夜分遅くにすみません」は、謝罪の文言を入れていれば問題ないと軽視しがちだ。しかしメールとすれば、開いて見る時間を相手から奪うことになる。
したがって、必ず緊急性の高い理由を告げなくてはならない。当日中に伝えず、なぜ連絡をしなかったのかと叱責されるような緊急性だ。仮にたいしたことがない用件なら、自己中心的だと評価を下げかねないので注意しておこう。
■統一性がないフレックスタイム制の懸念
フレックスタイム制の職場では、終業時間が19時や21時などにずれ込むことがあるため、「夜分遅くにすみません」の使用には注意が必要である。
相手のスケジュールを把握した上で使用することが望ましい。
「夜分遅くにすみません」の言い換え表現
「夜分遅くにすみません」のお詫び言葉で、「すみません」に違和感を覚える人もいるだろう。ここでは、失礼じゃないかという心理が働く方のため、言い換え表現を2例紹介していく。
■夜分遅くに申し訳ございません
「夜分遅くに申し訳ございません」は、「すみません」が失礼に感じるのならぜひ推奨したい。まず「ございません」は、「申し訳ない」の「ない(無い)」と同義だ。
また言い換えが「ございません」になるため、丁寧語として礼儀が備わっていることも相手に伝わる。
注意点として、「すみません」の多用は「すいません」といった、失礼な言い回しもうっかり招きがちだ。
したがって、丁重に謝罪の意を込めたいのなら「夜分遅くに申し訳ございません」の使用をおすすめする。
■夜分遅くに失礼いたします
「夜分遅くに失礼いたします」も、「夜分遅くにすみません」と併用したい言い換え表現だ。「いたします」は「する」の謙譲語なので、へりくだって伝えたい時に最適といえる。
「夜分遅くに失礼します」という表現も可能だが、「します」は「する」の丁寧語だ。しかし夜間の連絡は、オフの時間を拝借するため「失礼いたします」とした方が丁寧に伝わるだろう。
緊急性とお詫びを含めて使いたい「夜分遅くにすみません」
「夜分遅くにすみません」は文の初めに用いて、緊急性を伝えるのが適切である。
重大な用件をコンパクトに伝え、文の終わりに再度お詫びを示すと良い。相手の状況も考慮すれば、適切な使い方ができるだろう。
ビジネス以外の口頭でも使用できるため、シチュエーションに応じて上手に使い分けていこう。
文/shiro