3位 ホンダ・ヴェゼル
3位につけたのは、ホンダ・ヴェゼル。フィットがベースのコンパクトクロスオーバーSUVであり、センタータンクレイアウトの採用で後席下にガソリンタンクがなく、パッケージ的に優位なこともあり、後席は低全高パッケージによって頭上には115mm(ガラスルーフなし)とギリギリなものの、膝周り空間は290mmと広大。フロアはほぼフラットで、Zグレードには後席エアコン吹き出し口も完備する。
4位 スバル・ソルテラ、トヨタbz4X
ヴェゼルに次ぐのは、アリアと同様にBEVのスバル・ソルテラ、トヨタbz4X。頭上に120mm、膝周りに280mmというスペースがあり、リクライニングも1段可能で、フロアもほぼフラット。後席エアコン吹き出し口も完備している。BEVならではの静かでスムーズな走りをゆったりと満喫できるに違いない。
5位 トヨタ・クラウン・クロスオーバー
5位につけたのは、16代目クラウンのクロスオーバーである。クラウンがクロスオーバーモデルに!!と、発売当初、大きな話題になったが、そのゆったりとしながらも力強い走り、もてなし感に満ちた装備などはまさにクラウンそのもの。後席は頭上に130mmはともかく、膝周りには270mmのスペースがある。ただし、フロア中央に凸があり、着座、立ち上がり性にかかわるヒール段差は310mmと低めになる。エアコン吹き出し口はもちろん完備している。
6位 三菱アウトランダー
クラウン・クロスオーバーに次ぐのは、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーのテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した、最新型では全車PHEVとなった三菱アウトランダーだ。その後席(2列目席)は頭上に170mm、膝周りに250mmというスペースが確保される。エアコンは3ゾーン、つまり前席と後席でそれぞれ温度調整ができるタイプが用意されるから、後席の空調環境も文句なし。ただし、3列シート仕様の3列目席は緊急席的である(頭上に20mm、膝周りに0~110mm。2列目席スライド位置による)。
7位 ホンダZR-V
国内向けホンダSUVの最大サイズ、最上級モデルとなるのがZR-V。頭上に130mm、膝周りに245mmというスペースが確保され、フロアもフラット。が、ヒール段差は295mmと低く、身長172cmの筆者だと、膝が浮くような着座姿勢になるのが惜しまれる。
8位 ホンダWR-V
いよいよ8位にホンダ最新のクロスオーバーSUVであるWR-Vがランキング。その後席スペースはすでに説明したように、頭上に160mm、膝周りに240mmもの広さを誇る。頭上方向では格上のZR-Vをしのぎ、膝周り空間はZR-V同等。着座、立ち上がり性を決定づけるヒール段差が370mmもあるのだから自然にゆったりと座れ、着座性、立ち上がり性も文句なし。その上で、このクラスにして後席エアコン吹き出し口を完備し、ラゲッジルームもクラス最大級の広さが確保されているのだから、まさに下克上パッケージと言っていい。
9位 日産エクストレイル
9位となったのは、2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤーのテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した日産エクストレイルだ。その第二世代e-POWERによる電動駆動の走行性能、電動駆動4輪制御技術のe-4ORCEがもたらす走破性の高さは定評あるものだが、後席頭上に150mm(ガラスルーフ装着車)、膝周りに235mmという広さも立派。さらにフロアに少し凸があるものの、ヒール段差は340mmと十分な高さがあり、シートヒーター、3ゾーンによる独立温度調整可能な後席エアコン吹き出し口、後席用サンシェードも用意。後席で誰もが1年中、快適に過ごせるオールラウンダーである。
10位 スバル・レイバック/フォレスター/アウトバック
後席膝周り空間で10位となったのが、スバルのSUV軍団。レイバック、フォレスター、アウトバックともに220mm~230mmの後席足元スペースを確保。最新のレイバックの場合、頭上に135mm(サンルーフ装着車)というスペースだ。フロアに凸があるものの、後席エアコン吹き出し口を完備。最低地上高200mmのAWDとなるクロスオーバーモデル×オールシーズンタイヤ装着車にして驚異的な車内の静かさを実現しているため、後席でも標準装備されるハーマンガードンサウンドシステムによる音楽を堪能できるに違いない。
以上のランキングは、あくまで、身長172cmの筆者の実測値、印象ではあるのだが、後席に着座した際、膝周り空間が200mm以上あると、かなりゆったりとした姿勢が取れるということは間違いない。SUV、クロスオーバーモデルで後席の居住性、快適性にもこだわるのであれば、ぜひ、参考にしていただきたい。それにしても、ホンダWR-Vの、ラゲッジスペースを犠牲にしない後席の広さは、こうして各車のスペースを比較してみると、改めて驚かざるを得ない。
文/青山尚暉
写真/雪岡直樹 青山尚暉







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