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法曹界でジェンダーギャップを実感した場面、3位採用・就職時、2位育児・介護などの生活面や体力面、1位は?

2024.05.20

法曹界でジェンダーギャップを実感した場面1位は「依頼者との関係」

法曹界でジェンダーギャップを感じる人に、実際に格差を感じる場面を尋ねたところ、「依頼者との関係」が61.7%と最も多く、女性弁護士と男性弁護士で依頼者の態度が違うなど、一般の人からはいまだ弁護士=男性と捉えられている実態が見えてくる。

次いで、「生活面(育児・介護など)や体力面に関すること」が59.5%、「採用・就職時の扱い」が40.1%、「弁護団や弁護士仲間など同業者との関係」が33.0%などとなった。

「依頼者は男性の方が威厳があるように捉える」「産後の復帰予定を伝えたら男性弁護士から『0歳から保育園に入れるなんて可哀そうだね』と言われた」「『女性は出産や育児で辞めるから採用したくない』と何度も言われた」「働きながら育児は難しい。解雇された友人もいた」など複数の女性弁護士の経験談からは、悔しい思いが浮かんでくる。

男女別で最も差が大きかったのは、「弁護団や弁護士仲間など同業者との関係」。男性が21.4%に対して女性が45.5%と24.1ポイントの開きがあった。

次いで、差が大きかったのは、「報酬・給与面に関すること」。男性が11.1%に対して、女性が32.7%で、こちらも21.6ポイントの差が出ている。

女性からは「子どもの急病により委員から外された」「(報酬の高い)企業との顧問契約が結びにくい」「若いと中小企業の代表者からからナメられる」などの声が複数あがっていた。

一方で、男性からは弁護士同士の話や報酬について、ジェンダーギャップを理由にした不満の声は少なく、男女で認識の差があるようだ。

男女差が大きくなかったものとして、採用については、男性からもギャップによる不利益を訴える声があった。

特に「検察官採用は明らかに女性が優遇されていた」「クオーター制度として女性会員を役職に就ける」などで、女性登用が数字ありきになっているとして、抵抗感を示す声も上がっている。

■自由回答で寄せられたエピソード

自由回答で、ジェンダーギャップを感じた具体的な場面について聞いたところ、以下のようなコメントが寄せられた。

・「依頼者や相手方から若い女の子なのに偉いねと言われる(1年目)、弁護士の先輩からいくつ?彼氏いる?などと聞かれる」(女性)

・「男性依頼者がストーカー化しないよう無駄に気を遣う、女性の意見が必要などと委員会に引っ張りこまれる、など、いっぱいあります」(女性)

・「女性だからこそ需要のある部分ももちろんあると思いますが、依頼者の方によって、女性を軽く見ているのかなという言動がみられることはよくあります」(女性)

・「同様の実績がある男性弁護士と比較して、顧問契約の獲得までのハードルが高いと感じています。社外役員の選考では女性であることが有利に扱われていると感じますが、反面、女性であること以外に期待されていないような虚しさもあります」(女性)

・「裁判官(相手方代理人)は女性だからハズレた、女性には大局観がないなどの発言が常にある」(女性)

・「裁判官に任官したが、その際、男性と同じ成績だったら間違いなく男性をとる、と明確に民裁教官に言われた。弁護士になって、相手方の代理人であるベテラン弁護士(男性)から『この女弁護士が!』と言われた」(女性)

・「常日頃から上司が会議で『女性弁護士は力仕事(破産管財人を含む荒っぽい交渉)ではなく、銃後の守りをすべきだ』と繰り返していました」(女性)

調査概要
調査機関:弁護士ドットコム株式会社プロフェッショナルテック総研
調査方法:弁護士ドットコム弁護士会員を対象にアンケートを実施
調査対象:弁護士ドットコムの弁護士会員400名(男性258名、女性141名、その他1名)
調査期間:2024年4月21日~4月25日

関連情報
https://www.bengo4.com/corporate/

構成/Ara

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