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「(ご)配慮」の言葉はビジネスシーンで用いられることが多く、「心遣い」「気遣い」「配意」など、「配慮」と似た意味を持つ言葉もいくつかある。また、接頭語の「ご」の有無によって、相手だけでなく自分に対しても使えるので、言葉のレパートリーとして覚えておくと便利だ。
本記事では「配慮」の意味や使い方をわかりやすく解説する。「配慮」の類義語や、配慮と配意の違いもお伝えするので、ぜひ今後のビジネスシーンなどで活用してほしい。
配慮とは
「配慮」を正しく活用するには、正しい言葉の意味を知る必要がある。ここでは、配慮の具体的な意味をチェックしておこう。また、似た言葉として挙げられやすい「配意」との違いや、英語を使った例文もいくつか紹介する。
■配慮の意味
「配慮」とは「人や物事に対して気遣うこと」を指す。「考えを巡らせる・おもんばかる」を意味する「慮」と、「配ること・必要なところへ割り当てること」を意味する「配」を組み合わせたものといえば、具体的にイメージしやすいだろう。
「配慮」に接頭語の「ご」をつけ「ご配慮」とすれば、自分のことを気遣ってくれた相手に対して感謝を述べたい時や、配慮してほしいことを伝えたい時に使える。
また、接頭語の「ご」を除き「配慮」とすることで、自分自身の配慮について述べたい時にも使えるので覚えておこう。自分自身の配慮について述べる時は、接頭語の「ご」を誤ってつけてしまわないよう気をつける必要がある。具体的な使い方は後述するので、参考にしてほしい。
■配慮と配意は違う?
結論から伝えると、「配慮」と「配意(はいい)」はどちらにも「心配り」「心遣い」の意味が含まれており、同義語として使用できる。ただし、日常では「配意」よりも「配慮」の言い方が浸透している傾向にあるため、基本的には「配慮」と言った方が多くの人に伝わりやすいだろう。
「配意」は漢字で見ると意味がわかりやすい。メールなどの文章で言葉のレパートリーに困った時に活用しよう。
■「配慮」の英語と例文
「配慮」は英語で「considerate(思いやりのある)」「thoughtful(思いやりのある・心遣い・気が利く)」などの単語に当てはめられる。例文は以下の通り。
【例文】
・Thank you for your thoughtfulness.
(お心遣いに感謝いたします)
・That’s a very considerate gift.
(それはとても思いやりのあるプレゼントですね)
配慮の正しい使い方
ここでは、「配慮」を活用するのに最適な3つのパターンを紹介する。
・相手の気遣いに対するお礼を述べたい時
・気遣ってほしいことをお願いする時
・自分自身の配慮について述べる時
それぞれ例文も用意しているので、参考にしてみよう。
■相手の気遣いに対するお礼を述べたい時
相手から「配慮」ある行為をされた時は、「ご配慮」の言葉を使って感謝を伝えるのが良いだろう。
【例文】
・「ご配慮いただきありがとうございます」
・「平素は格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます」
■気遣ってほしいことをお願いする時
物事に対し、相手に気遣ってほしいことをお願いする時にも「ご配慮」を使うことで、要求や指図のような印象を和らげて伝えられる。
【例文】
・「店内ではマスクの着用をお願いしております。ご配慮いただきますようお願い申し上げます」
・「次に来られるお客様の駐車場確保のため、長居にはご配慮いただきますようお願い申し上げます」
■自分自身の配慮について述べる時
例えば相手への配慮に欠けていたことを詫びたい時など、自分自身の配慮について述べる時は、接頭語の「ご」を除いた「配慮」が使える。
【例文】
・「こちらの配慮が行き届かず、大変申し訳ございません」
・「私どもの配慮が足りておりませんでした」
配慮の類語や言い換え表現
「配慮」の類語には「お気遣い」「お心配り(お心遣い)」「ご高配」などの言葉がある。今回はこれらの言い換え表現もチェックしておこう。
■お気遣い
「お気遣い」は配慮と同じ意味のため、「配慮」の言い換え表現として使える。口頭やメールを問わず、幅広い場面で使えるので覚えておくと便利だ。
【例文】
・「お気遣いに感謝申し上げます」
・「お気遣い大変恐れ入ります」
・「お気遣いはなさらないでください」
■お心配り・お心遣い
「お心配り」は、相手を心配したり気遣ったりする意味を持ち、「配慮」と同様の意味で使用できる。また「お心遣い」も「配慮」「お心配り」と同じように使用できるが、「お心遣い」には「お金」の意味も含まれるため、相手のために金品を渡すような場面でも役立つだろう。
【例文】
・「たいそうなお品までいただき、お心遣い痛み入ります」
・「先日はお心配りいただきまして、ありがとうございます」
■ご高配
「ご高配」にも「ご配慮」「お心配り」の意味が含まれるが、「配慮」のように接頭語を除いて自分自身に使うことはない。相手の心配りを敬う言葉として、ビジネス文章の挨拶によく使われている。
【例文】
・「平素よりご高配を賜り、誠にありがとうございます」
・「今後とも変わらぬご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部