雑誌「DIME」で好評連載中の「玉川徹から働き盛りの君たちへ」は、人生100年時代を生きる30〜40代の〝働き盛りの世代〟が、定年後も楽しく働くための準備について、知ることができる記事だ。
テレビ朝日系・朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のレギュラーコメンテーターである玉川徹さんが、定年まで働いてきた自身の視点をふまえ、いろいろな業界で「好き」を仕事にしている人たちにインタビューしながら、好きな仕事の見つけ方や、好きを仕事にするための具体的な方法などについて教えてくれる。
インタビューは玉川さんならではの切り口による質問、感想、コメントを挟みながら進められている。インタビューされる相手は、玉川さんに聞かれて初めて、全く思いつかなかった自身の考えに気づくようなシーンも多い。掘り起こし上手な玉川さんの取材にもとづいた、読み応えのある内容となっている。ぜひチェックしてもらいたい。
そんな連載の取材では、基本的には聞き役である玉川さんが、自身の経験をふまえた〝ビジネスに役立つヒント〟が語られることも。その中から、本誌連載と合わせて読むとより一層楽しめる、こぼれ話を紹介しよう。
「わかりやすい」「おもしろい」「意義がある」の〝鏡餅理論〟とは!?
連載の第1回では玉川さんが大事にしている〝鏡餅理論〟について言及。「わかりやすい」「おもしろい」「意義がある」という3つの要素のうち、誰が見ても理解できる「わかりやすい」が一番重要だと語る。鏡餅でいうところの〝下段の餅〟に当たり、不特定多数の視聴者に情報を届ける大前提とのことだ。
次に大事にしているのが「おもしろい」という要素。鏡餅でいうところの〝中段の餅〟に当たり、これがないと視聴者の興味関心を引くことができない。
最後に「意義がある」という要素は、鏡餅でいうところの〝てっぺんに置く小さなミカン〟のようなもの。番組内で取り上げる情報が、公共の電波で扱われるべきで、視聴者にとって知っておく必要があると感じさせる要素と言える。
玉川さんいわく、これらの順番は非常に大切で、例えば「意義がある」(=てっぺんに置く小さなミカン)という要素を一番大事に考える、または「おもしろい」(=中段の餅)を最優先にすると、バランスが崩れてしまうという。
土台となる「わかりやすい」が大前提となっていない結果「大事なことみたいだけど何を言いたいのかわからない」「番組の出演者やスタッフは笑っているけれど、何がおもしろいのか理解できない」という感覚に視聴者が陥ってしまい、チャンネルを回されてしまいかねない。
「(テレビ番組の制作に携わっている人が)みんな間違ってしまいがちなのは『意義がある』(=てっぺんに置く小さなミカン)をやたら大きくしちゃうんですよ。『これは意義がある』『このニュースはやるべきだ』みたいな感じで。小さなミカンではなく大きなボンタンになってしまったら、もうそれは鏡餅ではないし、餅の上から落ちてしまいます。だから、この順番は大事なんです」(玉川さん)