性差の軽減を理由にブレザーが増えています
DIME世代が学生だった頃、学校制服の主流といえば学ランとセーラー服だった。しかし今の時代は男女ともにブレザーが多数派。なぜ学ランとセーラー服は減少傾向にあるのだろうか? 学生服事情に詳しいカンコー学生服に話を伺った。
「2015年に文部科学省から『性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について』の文書が発信されました。それをきっかけに学校側は学ランとセーラー服を廃止し、性差の少ない制服としてブレザー化を進めているのです」
さらにここ10年はジェンダー平等と同時に、個性の多様化も重視される時代に。ブレザーはネクタイかリボンかを選べるといった個性を出せる点も、現代とマッチしている。たがその一方で「伝統的なセーラー服を着たい」という声も根強いという。そこで登場したのがブレザーの機能性を掛け合わせた「セーラージャケット」だ。現在の学校制服は学生たちを画一的にしたり、統制したりするものではなく、多様性や個性を尊重することができる特別なものになっている。時代に合わせてどんどん進化しているのだ。
菅公学生服 カンコー学生工学研究所
所長 川井正則さん
菅公学生服では1995年より制服や学生生活に関する研究活動開始。以降、調査データや商品開発背景などを積極的に発信している。
Data1|学校制服がない学校は、ごく一部!
小中高校生の学校制服着用率は9割以上に!!
●小中高校生の制服着用率
※グラフの数字は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
カンコー学生服調査 調査時期:2022年6月 調査対象:全国10〜60代 男女1200人
近年ビジネスシーンではダイバーシティー推進を受けて制服が廃止される風潮にある。だが調査対象の10〜60代の9割以上が中高生時に制服を着用。廃止せよという声も聞かれない。
Data2|「地球環境に貢献できる」「日本が誇れるファッション文化」という回答も!学制服に感じるイマドキの美点とは?
●学校制服の良い点はどのようなことだと思いますか。(複数回答 n=1099)
カンコー学生服 調査時期:2021年6月 調査対象:全国の高校生の男女1099人
学校制服が一番支持されている理由で1位に迫るのが「学生らしく見える」。学生にとって制服は学生としてポジティブな意味でアイデンティティーの象徴なのかもしれない。
アニメなどの影響で外国人にも人気!アニメには学生服姿のキャラクターが多く登場。外国人には特別なファッションで、コスプレする人も。