セキュリティエンジニアの需要が高まる現代社会において、その職種が転職市場で特に注目されています。デジタル化が進む中で、企業のセキュリティ対策は以前にも増して重要となり、専門知識を持つ人材への需要は日に日に増加しています。
本記事では、パーソルキャリアの最新データを基に、セキュリティエンジニアがなぜ高い年収を得られるのか、そして企業がどのようにしてこれらの貴重な人材を確保すべきかについて掘り下げていきます。
転職による年収アップでセキュリティエンジニアがトップに
パーソルキャリアの調査によると、2023年の初めから半ばにかけて、転職市場では「セキュリティエンジニア」が年収アップの面で顕著にトップに立っています。
本調査は転職サービス「doda」を利用した個人のデータを基に、転職前と転職後の年収を比較し、その結果を詳細に分析しています。調査対象者の中で、特にIT職種に就いた人々のうち、約70%が年収の増加を経験しており、中でもセキュリティエンジニアは最も大きな増加を見せている結果となりました。
具体的には、セキュリティエンジニアは転職前の平均年収が490万円から、転職後には567万円へと約67万円の増加がありました。この数字は、同じく年収が大きく増加したITコンサルタントやデータサイエンティストを上回るもので、転職市場においてセキュリティエンジニアのスキルがいかに高く評価されているかを示しています。
(参考:転職による年収アップ、「セキュリティエンジニア」がトップ | Security NEXT)
なぜセキュリティエンジニアの年収は高まるのか?
ここでは、セキュリティエンジニアの年収が高まる理由について解説します。
■ITセキュリティ需要の増加
デジタルトランスフォーメーションが進む現代において、企業のITインフラはますます複雑化しています。この複雑さは、セキュリティリスクの増大を意味し、結果としてITセキュリティへの需要が高まっているのです。
企業は、サイバー攻撃から自社のデータとシステムを守るために、より多くのセキュリティ専門家を求めています。この需要の高まりは、セキュリティエンジニアの技術が極めて価値あるものと見なされるようになったことを示しており、それが年収増加の一因となっています。
■セキュリティに関する専門知識の価値が高まっているため
セキュリティエンジニアが持つ専門知識は、サイバーセキュリティの脅威が日々進化する中で、ますます価値が高まっています。彼らは最新のセキュリティ技術やプロトコルを熟知しており、企業が直面する潜在的な脅威に対抗するための戦略を立てていけます。
この専門性が高いために、市場では競争力のある給与を提供してセキュリティエンジニアを引き付けようとする動きが見られるのです。
■セキュリティインシデントの増加
サイバーセキュリティインシデントの増加は、企業がセキュリティ対策に更に投資する理由となっています。データ侵害やシステムのダウンタイムは、企業に甚大な損害をもたらす可能性があり、これを避けるためには熟練したセキュリティエンジニアの存在が不可欠です。
このような状況が年収の高騰につながっており、企業は優秀なセキュリティ専門家を確保するためにより高い報酬を用意しています。