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サーベイとは、物事の全体像を把握すべく広範囲に実施する調査のこと。組織で働いていれば、ビジネス用語として一度は聞いた事がある人もいるかもしれない。企業では従業員の満足度を調査するために実施されることが多いが、実は「サーベイ」にもさまざまな調査内容の種類がある。
本記事では、サーベイの意味や目的、企業に取り入れられることが多いサーベイの種類などを解説する。この機会に、サーベイについての理解を深めてみよう。
サーベイとは
「サーベイ」と聞くと、リサーチや満足度調査などのイメージを思い浮かべる人も多いだろう。確かに似ているところもあるが、本来の意味とは少し異なる。まずはサーベイの正しい意味と目的について解説する。
■サーベイの意味と目的
サーベイとは、物事の全体像を把握するため、広い範囲で実施される調査を指す。サーベイには「従業員サーベイ」や「パルスサーベイ」などの種類があり、サーベイを実施する具体的な目的はサーベイの内容により異なる。しかし、基本的には広範囲を対象に調査することで、現状を素早く的確に把握できることから、組織などの課題を見つける目的で活用されることが多い。
なお、サーベイの種類も後述しているので、あわせて参考にしてみてほしい。
■サーベイを行うメリット
サーベイを行うメリットの一つは、組織の課題などを数値化し迅速に把握できることだ。
例えばサーベイによって従業員満足度を調査し、項目ごとの結果を数値化したとしよう。すると、特定の部署のみA項目の評価が極端に低かったり、自分のポジションに不満を持つ従業員が多かったりと、上層部からすると意外な結果がはっきりと見えてくるかもしれない。
このように、サーベイは組織をより良いものにするために役立つ。
■サーベイ・リサーチ・アンケートの違い
サーベイは「調査」の意味を持つことから、「リサーチ」「アンケート」と混同されやすい。サーベイは「物事の全体像を把握すべく、広範囲に実施する調査」と紹介したように、調査対象や内容が幅広く、やや抽象的だ。
一方でリサーチは、例えば「競合調査」や「消費者ニーズの調査」など、調査の目的や内容、調査対象が絞られ、物事をより細かく理解するための調査に用いられる。また、リサーチをする目的は、新たな知識の取得や、学術の研究など幅広い目的で利用されるのも特徴と言えるだろう。
アンケートは、ある事項を調査するために大勢へ同一の質問をする調査方法のこと。サーベイを実施する手段の一つに含まれる。
よくあるサーベイの種類
サーベイには「○○サーベイ」のように、いくつかの種類があるのをご存じだろうか。ここでは、組織内でよく用いられるサーベイを紹介する。
■従業員サーベイ
従業員の定着率や生産性の向上、労働環境の改善を目的として、従業員を対象に実施される。従業員の不安や不満を、上手く抽出できるような設問が重要だ。
■エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイとは、自社や自社製品に対する従業員の愛着心や情熱を調査するもの。特に、何かしらの改善策を実施したあとにエンゲージメントサーベイを実施することで、効果を測定しやすい。客観的な組織の現状を把握するのに役立つ。
■パルスサーベイ
1週間~1か月程度の短いスパンで、簡単な質問を繰り返し従業員満足度を調査するもの。課題の発見だけでなく、迅速に変化を見つけたり、定期的に従業員自身と向き合ってもらったりするためにも効果的だ。
■モラールサーベイ
「モラール」とは意欲や態度のことで、倫理や道徳のことを指す「モラル」とは異なる。モラールサーベイは、従業員のモチベーション維持や向上、パフォーマンスの向上を目的として行われる。
モラールサーベイを実施することにより、モラールを阻害している要因を発見するのに役立つだろう。
サーベイは無意味?実施のポイントとは
サーベイは、ただ実施するだけでは無意味なものになってしまう可能性がある。現状を把握し課題を見つけるためには、効果的な手段を用いることが重要だ。ここでは、サーベイを実施するポイントについて少し触れておこう。
■調査目的を明確にする
なぜサーベイを実施するのか、何事も目的を明確にすることは重要だ。加えて、サーベイを実施するなら、従業員へしっかりと明確化した目的を理解してもらえるように伝えよう。
■本音を聞き出せる質問設計を考える
目的が明確化していれば、的確な質問を作成しやすくなる。また、定期的に実施するサーベイなら、前回と同じ質問を組み込んだり、前回のサーベイで上手く本音を引き出せなかった質問項目を見直したりすることも重要だ。
■匿名回答にする
サーベイへの回答は、匿名の方が自身の率直な意見をはっきりと伝えやすい。サーベイはあくまでも全体像を把握するために利用し、個々の問題は別途1 on 1などの機会を設けるのが良いだろう。
■サーベイの実施結果を共有する
サーベイの回答結果は従業員へ積極的に共有しよう。「現状どのような課題があるのか」「組織としてそれをどう受け止めているのか」「今後どのように改善していくのか」これらをあわせて伝えることで、従業員は安心して業務を進められる。
また、改善策を実施した効果がどのように転んだとしても、企業の積極的な姿勢が見えることで、従業員は次回のサーベイにも前向きに取り組んでくれるはずだ。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部