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仕事でよく聞く「工数」って何?覚えておきたい管理と計算方法

2024.06.21

「工数」は特定の作業やプロジェクトを完了するための仕事量を指す言葉で、仕事を無駄なく円滑に進めるために必要になる。

本記事では、工数の計算方法や工数管理を行うメリットを解説する。工数管理を行う際のポイントも紹介するので、組織の工数管理体制を行う予定がある方はぜひ参考にしてほしい。

工数とは

工数という言葉は主にビジネスシーンで使われる表現であるため、馴染みのない方も多いかもしれない。まずは、工数の基本的な意味や計算方法を確認しよう。

■工数の意味

工数は特定の作業を完了するために必要な仕事量を指す言葉。ビジネスシーンでは大勢の従業員が携わるプロジェクトも多いため、必要なマンパワーや人件費の把握が重要だ。

工数管理を行えば、プロジェクトに要する人員数や時間を把握し、適切なリソースを割いてプロジェクトに着手できる。工数管理専用のツールも存在するので、本格的な工数管理を行いたい場合には導入を検討するのが良いだろう。

工数管理で使う単位と計算方法

工数管理で行う仕事量の計算は、業務にあたる人数と時間を掛けて算出する。工数管理特有の単位を使って計算するため、以下3種類の単位をチェックしておこう。

人時

人時は「にんじ」と読み、一人の従業員が1時間で行う作業を1として計算する単位。一人で5時間を要する場合は「5人時」と表記する。

【計算例】

・五人で3時間を要する作業

→5人×3時間=15人時

人日

人日は「にんにち」と読み、一人の従業員が1日で行う作業を1として計算する単位。一人で5日を要する作業は「5人日」と表記する。

【計算例】

・五人で6日を要する作業

→5人×6日=30人日

人月

人月は「にんげつ」と読み、一人の従業員が一か月で行う作業を1として計算する単位。一人で5か月かかる作業は5人月と表記する。

【計算例】

・五人で3か月を要する作業

→5人×3か月=15人月

工数管理をするメリット

次に、工数管理をするメリットを紹介する。工数管理を上手く活用して、組織の課題を解決してほしい。

■見積もりの精度向上

工数管理をすることで、作業に必要な見積もりの精度が向上する。大規模なプロジェクトに着手する際には、事前見積もりが必須。何人くらい人員が必要か、利益を出すためにはどのくらいの条件を提示すべきか、といった判断の基準となるだろう。

また、プロジェクトが順調に進行していない場合には予定や業務内容の見直しにも利用できるだろう。

■人件費の削減

工数管理は人件費の削減にもつながる。工数管理によって見積もりの精度が上がれば、人員を余分に配置してしまうトラブルの防止につながり、余計な人件費をかけずに済む。

工数管理を繰り返し行えば、各作業に必要な人員を把握できるようになり、より無駄のない人員配置が実現できるはずだ。

■労働環境の改善

労働環境の改善につながることも、工数管理を行うメリット。工数で仕事量を表すことで従業員のオーバーワークを防止でき、現実的な業務内容を割り振ることができる。結果、残業の削減も期待でき、従業員のモチベーションや人件費の削減にもつながるだろう。

工数管理のポイント

最後に、工数管理を行う際のポイントを解説する。以下の点に注意することで、より効果的な工数管理ができるはずだ。

■前例を加味して計算する

工数の計算を行う際には、前例を加味した上で計算しよう。各業務にどれくらいの工数を要するかは、工数管理を始めた当初はおおよその範囲でしか把握できない。

現場からの業務報告も加味した上で、工数管理を繰り返し行う中で随時ブラッシュアップしていく必要がある。

■従業員のスキルを加味して計算する

工数の計算は従業員のスキルを加味した上で行おう。工数計算時は「人時」などの単位で平準化されているが、実際に業務を行うのは一人の人間であり、各人のスキルには当然差がある。

ベテランであれば1人日で完了できる仕事でも、新人は2人日かかる場合もあるだろう。この場合、ベテランの基準に合わせてしまうと見積もりが崩れ、労働環境も悪くなってしまう可能性が高い。計算時には、各人の能力を高く見積もりすぎないよう注意しよう。

■現場の工数管理意識を高める

工数管理に際しては現場の工数管理意識の向上も必要。工数管理では日々の業務にどれくらい時間がかかったか、予定通り業務が進んでいるか、といった現場の報告が欠かせない。

現場の声を無視してしまうと、工数管理が意味をなさなくなってしまう可能性が高いので注意。日々の記録・報告を漏れなく行ってもらうため、現場に工数管理のメリットや重要性を認知してもらうことも大切だ。

■バッファを設定する

時間的な余裕を設けるバッファを設定するのも、工数管理において重要な事項。工数はあくまでも理想的に業務が進行していることを前提としており、実際には予想通り進まない可能性もある。

そんな時、バッファが設定されていればある程度の誤差やトラブルへの対応が柔軟に行える。思わぬトラブルを避けるためにも、バッファはぜひ用意したいところだ。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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