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SNSのフォロワーは1000万人以上!ドキュメンタリー監督・竹内 亮さんが"素顔の中国"を発信し続ける理由

2024.05.15

互いの「今」を客観視することで思い込みの誤解を解き、
相互理解が深まればいいなと思います

竹内 亮さん

10年の間で大きく進化した中国の「今」

 竹内さんが長江を旅してから10年、中国は劇的な進化を遂げた。

「この10年で、日本より不便だと思っていた国は、単純に生活だけで言えば、明らかに便利になって日本を超えました。農村地帯までキャッシュレスが浸透していますし、何よりすごいのは、デリバリー文化。レストランの食べ物はもちろん、食材も水も、頼んですぐに届けてくれる。手数料も100円しないくらいですから、コンビニに行く必要すらない。都市部ではすでに無人タクシーが走り、料金も安いので僕は毎日タクシー通勤です。その間に仕事できると考えれば、コスパも高いですから」

 多くの日本人が誤解している〝中国のリアル〟をありのままに伝えることで、日中の相互理解につなげたいという竹内さん。ビジネスドキュメンタリーも多く手がけているが、日中ビジネスパーソンの違いについてはどうだろう。

「中国人は基本的にすべてがトライ&エラーで、変化を恐れません。日本人の多くは、100%完璧に準備してからGOすることが多いのに比べ、中国は50%ぐらいで発進する。例えば3階建ての商業施設が新規オープンする場合、2〜3階が工事中でも1階が完成していたら開店します。なぜならその土地を借りた時点で賃料が発生しているわけですから、動かさなければもったいない。走りながら完成を目指すので、変化に柔軟な対応が必要となります。それゆえに今、流行っているものに敏感だし、対応力にも長けている。日本は島国であるということからすれば、外からの変化のプレッシャーも少ないし、中だけで完結できるため、完璧主義というか、内向きなところはある気がします。それがいいか悪いかはまた別の問題ですが」

 さらに若年層や女性の活躍も日本と大きく違う点だという。

「中国の大企業のトップと会食すると、幹部はほぼ女性。日本ではトップに女性が起用されただけで話題になりますが、中国では当たり前すぎてニュースにもなりません。ビジネスの中心で活躍するのも多くは30代。若いうちにキャリアアップして50代には引退というのが夢ですからね。例えばファーウェイは45歳が定年で、それまでにすべての精神力と体力を使い切る。それも中国パワーの源です。日本も年寄りが牛耳っていないで、もっと若い人たちにチャンスを与えるべきだと思います」

 中国社会において高齢者は「家でゆっくりお茶を飲んで麻雀でもどうぞ」という存在。来日した中国人観光客は高齢でも働く日本人に対して違和感を覚えるという。一方で、年を重ねても働くことに意欲的な日本人が多いことも事実。

「そういう意味でも、齟齬があるわけですよ。日本で報道される中国は偏見を感じざるを得ず、それが悔しい。ですから僕は中国にいて、日本と中国の現状をありのままに紹介する作品を作って、相互理解を深めてほしいと思っているんです。お互い違和感を抱くことも、実はそれぞれの文化を知れば理解できることもある。だからまず知ろうよ、と言いたい。『再会長江』を見ていただければ、その意味がわかると思います」

中国発のドキュメンタリーを次々と発表し、話題に

『ファーウェイ100面相』『ファーウェイ100面相』

中国の通信企業・ファーウェイ社員たちの素顔と仕事を描いたドキュメンタリーは、中国政府主催の「国際短編ビデオコンテスト」で日本人初の最優秀賞を受賞。

『お久しぶりです、武漢』『お久しぶりです、武漢』

2020年、世界初の新型コロナ集団感染により2か月半、1000万人がロックダウンした武漢。コロナからの復興をテーマに市民の暮らしに密着し、大きな反響を呼んだ。

4月12日(金)公開!
紀行ドキュメンタリー超大作『劇場版 再会長江』

上海、南京、武漢、重慶、雲南、チベット高原まで、広大な中国大陸を横断するアジア最大の大河、長江。2010年に撮影したその6300㎞の旅を再びたどり、中国激動の10年を描く。「DIME読者に見てほしいのは、雲南省・ロコ湖畔にある女性がリーダーの〝女の国〟かな。10年前は古い伝統を引きずる遅れた民族だと思っていましたが、実は最先端をいっていることがわかった。その謎解きはぜひ映画館で!」(竹内さん)

『劇場版 再会長江』

取材・文・編集/原口りう子 撮影/深山徳幸

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