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Nintendo Switchの後継機が登場!任天堂は「Wii U」の失敗を乗り越え成功を収めることができるか

2024.05.13

Wii Uはソフトの開発難易度の高さが仇に

Wii Uは2017年に生産を終了。Wiiは1億163万台を販売しましたが、Wii Uはわずか1356万台に留まりました。ゲームキューブ、ニンテンドウ64、ゲームボーイアドバンスなど過去のゲーム機を振り返っても、これほど販売不振に悩まされた機種はありません。

失敗した主要因はゲーム不足だと言われています。

Wii Uは高画質でコントローラーにもディスプレイを配置するという、超高次元のゲーム機。ユーザーが楽しむという視点においては十分な機能性を有していたものの、そのハードに向けたソフトを開発する難易度が極めて高かったのです。開発には任天堂も手こずっていたようで、「ピクミン3」は発売が延期されています。

Wii Uの生産終了と同じタイミングで登場したのがNintendo Switchでした。2017年3月に発売を開始すると、スマッシュヒットを記録します。このゲーム機は現時点で1億4132万台を売っています。Wiiの1億163万台を軽々と超えました。名機と呼ばれたポータブル型のニンテンドーDSの1億5402万台をも上回る勢いなのです。正に起死回生の特大ホームランを放ちました。

ゼルダの伝説は初年度で2000万本を突破

実はNintendo Switchの登場は、任天堂の業績にも大きな変化を生みました。ゲーム機の販売台数の落ち込みと、売上が乖離するようになったのです。Nintendo Switchは時間の経過とともに売れ行きは落ち込みますが、売上高がそれに引っ張られず堅調に推移しています。

決算短信ゲーム専用機販売実績より筆者作成

2024年3月期のゲーム機の販売台数は前期比12.6%減の1570万台でしたが、売上高は同4.4%増の1兆6718億円でした。

このような推移は、Wii時代にはなかったものです。

要因は2つあります。1つは開発力を高めてヒットIPの数を増やしていること。もう1つは映画などの周辺コンテンツを強化してIPのファンを拡大していることです。

2024年3月期が増収となった要因に「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の大ヒットがあります。このタイトルは2061万本販売しました。近年ではKADOKAWAの子会社でフロム・ソフトウェアが開発した「ELDEN RING」のヒットが知られていますが、このタイトルが2300万本。「ELDEN RING」はPlayStationやXboxなど、様々な機種に対応しています。「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」はNintendo Switch専用ソフトで2000万本突破を成し遂げました。

前作の「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は、初年度が50万本程度でした。そこからじわじわと口コミで評判が広がり、最終的には累計で3000万本以上を売っています。

最新作が初動でヒットを飛ばしたことは、「ゼルダの伝説」というシリーズの面白さが世界中で認知され、支持されたことの証左でしょう。つまり、ヒットIPを確立したということです。

立て続けに映画の公開も発表

2024年3月期は「マリオカート8 デラックス」が818万本売れていることも見逃せません。このタイトルは2017年4月にリリースしたものです。好調だった背景に、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の影響があります。この作品は全世界での興行収入が1700億円を超えました。

映画の公開後、Nintendo Switch向けの「スーパーマリオ」関連のタイトルの販売数は、前年の1.3倍になったといいます。

任天堂は、将来的に実写版映画「ゼルダの伝説」、アニメ映画「スーパーマリオ」の続編を公開するとすでに発表しています。

IPを軸として、任天堂の収益構造は大きく変化したのです。

今期は2割の減収を見込む

任天堂の2024年3月期の売上高は前期比4.4%増の1兆6718億円、営業利益は同4.9%増の5289億円でした。ゲーム機やソフトウェアの売上高が同1.5%増の1兆5678億円、映像コンテンツ収入などのモバイル・IP関連収入は前期の1.8倍となる927億円と好調でした。

ただし、2025年3月期の売上高は前期比19.3%減の1兆3500億円、営業利益は同24.4%減の4000億円を予想しています。勢いに乗っているとはいえ、長期に渡ってゲーム機販売の落ち込みをカバーできるわけではありません。

そのような中でのNintendo Switch後継機の発表でした。Wii Uという苦い過去があるため、同じ過ちを繰り返すという懸念材料は払拭されます。

Nintendo Switchの後継機が、Wii Uのようなソフトの互換性があるものだったと仮定しても、新たなソフトや拡張版の販売でこれまでの売上水準を維持、あるいは上向かせることもできるはずです。

WiiからNintendo Switchの販売までには10年ほどの年月がかかっています。それを踏まえると、まったく新しい機種の誕生は2020年代後半になるでしょう。

後継機で今の業績を堅持しつつ、2030年にかけて新型機をリリース。再び大波を作るというのが、現時点で予想できる道筋なのではないでしょうか。

取材・文/不破聡

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