日本初の全国規模で非営利組織の組織評価を行う第三者審査機関、公益財団法⼈ 日本⾮営利組織評価センターは、全国3000名を対象とした「NPOの信頼性についての意識調査」を実施。先日、調査結果の第2弾が発表されたので、本稿ではその概要をお伝えする。
NPOに関する情報源は主にホームページとマスメディア
情報に触れる機会を一般的に大別すると、ホームページ閲覧やイベント参加など対象に対して能動的に行動を起こして入手する場合と、メディアや他人など第三者を介して受動的又は偶発的に情報が入る場合に分かれる。
NPOに関与している/していた267名に対しNPOに関する情報入手の手段を調査したところ、41.2%が「NPOが運営するホームページ」、次に「新聞の記事(紙、WEB)」(27.7%)と回答した。
「NPO運営のSNS」(13.9%)と比較して2~3倍の差になり、検索やタイムラインを通じて能動的にも受動的にも情報を得られるSNSより参考にされていることがわかった。
また、「NPOの活動で関わっている人」(24.3%)、「官公庁(内閣府除く)や自治体が運営するホームページ」(22.8%)など団体関係者や公式情報が高い数値になった他、「テレビ」(22.8%)も新聞記事と同様に上位に入り、現在もマスメディアが情報源として参考にされていることが判明した。
上位の「ホームページ」に関して、男性は平均44.4%、女性は38.6%が選択しており男性のほうが5.8ポイント高い結果となった。
一方で、「NPOの活動で関わっている人」を選択した女性は27.6%、男性は21.5%で6.1ポイント差。「家族」は女性7.9%、男性3.7%で4.2ポイント差、「友人・知人」は女性25.2%、男性11.1%で14.1ポイント差と、「NPOの活動で関わっている人」「家族」「友人・知人」といった身の回りの人から情報を入手するのは女性のほうが多いことがわかる。
また、「家族」「職場」(6%)よりもラジオ(6.4%)が上回る結果に。利用者が減少傾向にある伝統的なマスメディア・ラジオよりも数値が低く、NPOが身近に話題にされることが少なく関わっている人に限定されてしまう現状が判明。
その他にもSNSではNPOが運営するアカウント(13.9%)より、NPO以外が運営するSNS(15.7%)経由での認知が多いこと、さらに一般的には馴染みのない官公庁や自治体が運営するサイトも上位にランキングしており、様々な情報源があることが明らかになった。
■重視するポイントは、知名度・団体規模よりも活動への共感・情報公開
NPOに関与している・していた人、または、今後NPOの活動に参加したい人計451名に対し、関わるNPOを選ぶ際の重視ポイントを調査。
最多の回答は「ミッションやビジョンに共感できる」で43.5%だった。次いで「情報(活動内容や成果、決算報告)が公開されている」(42.1%)、「信頼できる役員やスタッフがいる」(33.3%)、「行政機関の外部認証を受けている」(31.9%)、「社会の持続可能性に貢献している」(31.3%)が上位の結果に。
「団体の知名度」は14.6%)、「団体の規模(財政規模・所属人数)が大きい」は9.3%で、信頼度の設問と同様にあまり重要視されていないことがわかった。
「ミッションやビジョンに共感できる」については男女で大きな差はみられなかったが、30代は37%、60代は50%で13ポイントの差があることが特徴の一つと言えるだろう。
一方で、「行政機関ではない第三者機関の認証を受けている」については30代が31.5%で最も高い結果となっている。
「情報が公開されている」については、男性平均40.0%に対して女性平均45.6%であり女性のほうが5.6ポイント高い結果が得られた。また「行政機関の外部認証を受けている」に関して、男性36.9%、女性27.5%で男性のほうが9.4ポイント高い。
■寄付・ボランティア経験がふるさと納税を上回る
2023年1月〜12月の1年間における寄付やボランティア活動の経験について調査したところ、寄付(ふるさと納税を除く)の経験者は22.3%・ボランティア活動の経験者は26.2%と4人に1人であったのに対し、ふるさと納税をしたことがある人は21%。近年利用者が増加しているふるさと納税よりも寄付・ボランティア活動をする人の方が多いことがわかった。
また今後寄付の意向があると回答したのは約3人に1人の32.7%。「寄付をしたことがある」または「今後寄付の意向がある」という人が過半数を占めていた。