dアカウントのトラブル、LINEヤフーの統合で前途多難?
石川氏:SNSを見て思ったけど、dアカウントはまだトラブっている人が多いなと。パスキーに対応してログインがやりやすくなっている反面、回線を解約した時にトラブっている人が結構いる。dアカウントに関しては1回作り直さないと、これから金融系サービスを絡めていく時に厳しいんじゃないかなって気がする。
石野氏:2024年2月、丁度MWCに行く直前にアプリのアップデートがかかって、デュアルSIMの切り替えでログアウトすることはなくなったんですけど、それでも海外SIMだとログアウトされたりと微妙な不具合がある。良くはなっているんですけど、回線契約を紐付けるdアカウントとそうじゃないキャリアフリーのdアカウントがあって、そこを跨ごうとすると複雑なことになっちゃうんですよね。あと、1つのdアカウントに複数の携帯電話番号を紐付けられないので……
法林氏:複数の携帯電話番号を割り当てられないばかりか、メールアドレスも個別。
石野氏:そうですね。IDと称しながら、自分の持っている電話番号をまとめて管理できないIDになっちゃっている。回線契約ありきの時の発想を引きずったまま、今の形にしてオープンにしちゃったので、そこでちょっとチグハグが出てきているのかなという感じがします。
法林氏:その割にdポイントは親に全部まとまる。
石野氏:そうですね、ポイント統合という仕組みがあるので、しっちゃかめっちゃかになっている。
法林氏:両極端なのかな。dポイントは親の総取りで、でもアカウントごとに個別にメールアドレスと電話番号がある。Pontaはそこまでではない。au IDに普通に紐付いているだけで、リクルートのアカウントさえ作れば、そんなに面倒はない。もっと言っちゃうと、PayPayは複数回線持っている人のことを全然考慮していない。「本人確認ができないから、これはできない」という話になっている。それをソフトバンクとワイモバイルで跨いでやっているから大変だと思うんですよ。
僕は今、ポイントではPayPayが1番ダメだと思っている。決済は素晴らしいけど、ポイント源としてはダメ。
石川氏:LINEヤフーが総務省から怒られたじゃないですか。PayPayとのID連携を2024年度中にやろうとしているけど、あれが解決しないことには、PayPay側とLINEヤフーをくっ付けて一元管理するのは難しいんじゃないのかなって気もする。そうなるとソフトバンクが描いているようなLYP(LINE、Yahoo!、PayPay)で経済圏を作っていくっていうのも厳しいんじゃないのかな、という気がちょっとしています。
法林氏:Yahoo!ショッピングはPayPayで支払えば還元があるので、ヤフーとPayPayは連携できている。LINEが絡んでくると、どんどん難しくなる。だから、LINEを切り離すのが、僕は正しいと思う。
石川氏:それぐらいしないと難しいんじゃないかな。
法林氏:先日、ソフトバンクの宮川さんが週刊誌のインタビューで「韓国NAVERはLINEの株式を手放す理由がない」と言ったそうだけど、ちゃんと対応しないと、LINEはいろんな意味でネックになると思います。これからもまだ、問題が出てくると思う。以前も話した、LINEは実は儲かってないっていうことも大きな問題だと思う。思い返せば、LINEはスマートスピーカーも途中でやめている。結構、遺恨を抱えている人は多いと思う。
石川氏:やっぱり、無料であれだけバンバン、メッセージをやりとりされていたら、そりゃ重荷になる。しかも稼げていない。本来であれば、メッセージサービスを接点にLYPで経済圏を作っていくって感じなんだけど、それも総務省に怒られそうな感じ。
法林氏:イーロン・マスク氏がTwitterを買った時に、いろんなものを捨てます、ちゃんと広告を入れて稼ぐようにしますって言った。当時は各方面でいろいろ言われたし、広告の問題はもちろんあるんだけど、あの規模の会社ですらそうやっているのだから、LINEももうちょっとやった方がいいんじゃないかって思う。LINEは韓国では2番手なんだよね、カカオトークがあるから。LINEはタイをはじめ、東南アジアのいくつかの国でよく使われているけど。
あと、2回目の行政指導の件に関して、SNSや掲示板での反応を見ていると、そもそも公的なサービスにLINEを使うのをやめましょうって考える人がすごく多い。この意見には僕も賛成。ちょっと考え直さないといけない時期に来ていると思う。