ピグマリオン効果と似た心理学的行動
ピグマリオン効果と混同しやすい心理学的行動についても、セットで見ていきましょう。以下では、「ゴーレム効果」「ホーソン効果」「ハロー効果」の三つを紹介します。
■【ゴーレム効果】期待されないとパフォーマンスが低下する
ピグマリオン効果と逆の意味を持つ心理学的行動が、ゴーレム効果です。ゴーレム効果は、他者から期待されないことが要因でパフォーマンスが低下し、思ったような結果を出せない現象を指します。
ビジネスシーンにおいては、日々のコミュニケーションで期待していることを伝えなかったり明確な目標を定めなかったりすると、メンバーが十分なパフォーマンスを発揮できなくなる可能性がある点に注意が必要です。
マネージャーをはじめとした管理層は、メンバー一人一人に目を向けて、誰も放置しないように意識しましょう。
■【ホーソン効果】注目されることでパフォーマンスが向上する
他者から注目されてパフォーマンスの向上につながることを、ホーソン効果と呼びます。ピグマリオン効果に近い心理学的行動ですが、以下のような違いがあります。
- ホーソン効果:「注目」「関心」がパフォーマンス向上につながる
- ピグマリオン効果:「期待」がパフォーマンス向上につながる
ビジネスにおいては、何らかの取り組みが高く評価されて表彰されたり、社内報に掲載されたりしたことでパフォーマンスが向上し、より高い成果につながった場合などが該当します。
ピグマリオン効果だけでなく、ホーソン効果を生み出すマネジメントも意識するとよいでしょう。
■【ハロー効果】一部の評価が全体に波及する
ハロー効果は認知バイアスの一つで、一部の評価が全体の評価に影響を及ぼす効果を指します。
「エンジニアとして活躍しているから、マネージャーとしても活躍できるに違いない」など、本来関係ない部分の評価が、既存の評価の影響を受けるケースが代表的な例です。
影響を受けて実際より高く評価されることをポジティブ・ハロー効果、低く評価されることをネガティブ・ハロー効果と呼びます。
ピグマリオン効果を成長につなげよう!
他者から期待されると通常以上のパフォーマンスを発揮するのがピグマリオン効果で、うまくマネジメントに活用すれば、より高い成果につながります。
マネージャーとして活躍しているのであれば、日頃からメンバーと綿密にコミュニケーションを取り、適度な期待を示しつつ、達成可能な目標を与えるとよいでしょう。
メンバーが意欲的に働けるよう、十分な裁量権を与えたり、評価制度を見直したりすることも大切です。継続的にピグマリオン効果が見られる環境を構築できれば、チーム全体・企業全体のさらなる成長に期待できます。
構成/編集部