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日経平均株価が最高値を更新しても「日本企業の競争力は低い」と認識している人が多い理由

2024.05.11

バブル全盛期以降の日経平均株価最高値更新、大手企業の賃上げなどが相次いでいる。では日本経済や勤務先企業の競争力は高まっているのだろうか。

デロイト トーマツは、「日本経済および日本企業の競争力に関する調査」を発表。本調査では、日本経済の競争力、日本が競争力を向上させるために解決すべき課題、競争力向上に寄与する政策・施策・技術、ビジネスパーソンの勤務先企業の競争力に対する認識などを調査・分析したので、詳細をお伝えしよう。

日本経済、日本企業についてビジネスパーソンは「競争力が低い」と認識

「今の日本経済に競争力があるか」という問いに対し、「競争力がある」が31.5%、「競争力がない」が40.2%、「どちらともいえない」が28.4%となり、競争力がないという回答が競争力があるという回答を8.7ポイント上回った。

「勤務先の企業に競争力があるか」という問いに対しては、「競争力がある

」47.0%、「競争力がない」19.9%、「どちらともいえない」33.1%という結果で、年商500億円以上の企業の役職者(課長以上)を対象としているにも関わらず、競争力があるという回答率が5割に届いていない。

本調査結果から、ビジネスパーソンが、日本経済や企業の競争力を楽観視していないことがわかる。

図1:日本経済および勤務先の企業に競争力について

※「競争力がある」は「とても競争力がある」と「やや競争力がある」の合計、「競争力がない」は「あまり競争力がない」と「全く競争力がない」の合計として集計。(単数回答)

勤務先の企業が「既存の事業を着実に推進する」タイプか「新事業や新ビジネスモデル創出を積極的に行う」タイプかを尋ねると、前者の回答率が65.6%となった。

また、「新しい技術はリスクなどを見極め慎重に採用する」タイプか「新しい技術は率先していち早く採用する」タイプかを尋ねると、前者の回答率が68.2%となり、約7割の回答者が、勤務先の企業は既存の事業を着実に推進し、新しい技術の採用には慎重な企業風土であると認識していることが判明。

図2:勤務先の企業のタイプ

※Aタイプは「Aにあてはまる」と「どちらかというとAにあてはまる」の合計として集計。(単数回答)

勤務先企業の競争力と企業のタイプの相関関係を見てみると、「とても競争力がある」と回答しているビジネスパーソンは、自社が「新事業や新ビジネスモデル創出を積極的に行う」タイプと回答した人が多い傾向にある。

「とても競争力がある」以外の回答をしている層では自社が「既存の事業を着実に推進する」タイプと回答している人が過半数を占めていた。

図3:勤務先企業の競争力とタイプの相関関係
(A 既存の事業を着実に推進する ⇔ B 新事業や新ビジネスモデルの創出を行う)

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