投資詐欺を体験してみよう!
冒頭で投資詐欺の話題を出したが、せっかくだからここで投資詐欺というものを体験してみよう。
こんなことを書くと「澤田がまた訳のわからないことを書いてる」などと言われるのだが、実は投資詐欺を疑似体験できる学習アプリも存在するのだ。それが『株たす』である。こちらもグリーンモンスターのアプリだ。
上記の『まねらん』と同様に投資の疑似体験ができる機能もさることながら、『株たす』には投資詐欺の手口を学べる機能が実装されている。
その中のひとつ「有名人なりすまし投資詐欺の手口」の監修は、何と経済アナリストの森永康平氏。投資で一攫千金を夢見る青年が、森原達郎という有名人のチャットグループに参加するが、実は森原氏とは何の関係もない詐欺グループの罠だった……というシナリオだ。確かに康平氏が監修しただけある、リアリティ溢れる内容だ! てか、これそのまま康平さんのおとっつぁんの話じゃ……!?
投資詐欺の基本ドクトリンは、「日本経済は必ず没落する」といったような不安を煽ることだ。「我々の商材を買わなければ必ず損をする」と心理的プレッシャーをかけて、金を出させるように仕向ける。そうした手口を学ぶことで、結果的に投資詐欺を撲滅するという仕組みだ。
断定的なことは言えない分野
これらのアプリを使ってみると、株式投資とは我々一般人がおぼろげに考えている以上に地道なものだということが理解できるだろう。
前述のように、投資の基本は分散である。すると、殆どの場合は「どこかでプラスだがどこかでマイナス」という状態になるはずで、総合的に利益を上げようと思うならそれは最低でも数年がかりの忍耐を要する。
筆者が今までに会ってきた経済アナリストは、異口同音に「明日はどの会社の株が上がるかはわからない」「断定的なことは言えない」と述べている。従って、「この株を必ず買おう!」と断言しているネット広告はクリックに値するものではないのだ。
ところが、現実問題としてこうした詐欺に幅広い年齢層の人が飛びついてしまい、多額の金をむしり取られてしまう事案が相次いでいる。これは日本人の「金融経験値」が足りていないことを示している現象ではないか?
何歳からでもできる投資学習
日本は金融機関が充実している国である。これは間違いなく世界トップ水準と言ってもいいだろう。
地方や信用金庫がメガバンクと同等の信頼を集め、「メガバンクの口座はないが地銀の口座ならある」という人も珍しくない日本という国。「お金の預け先」に困ることはないが、それと引き換えに自分自身でお金を管理する段になると弱みを見せてしまう人が少なくないのではないか。
しかし、投資についての学習は何歳からでも実施できる。誇大な文言に踊らされない正しい知識を得ることが、投資を始めるための第一歩と言えるだろう。
【参考】
体験型投資学習アプリ「まねらん」-一般社団法人全国銀行協会
株たす-グリーンモンスター
文/澤田真一