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サステナブルな時代ゆえに生まれた「異業種コラボ」が新たなビジネストレンドに

2024.05.12

UCC×タカラトミー~サスティナビリティ教育

コーヒーを中心とした飲料・食品メーカーUCCと、玩具メーカータカラトミーがタッグを組み、次世代のサスティナビリティ教育に取り組んでいる。

タカラトミーは小学生など向けに次世代教育支援活動としてオンライン授業を提供している。その教材の一つに、UCCの「抽出後のコーヒー粉とコーヒー生豆が入っていた麻袋が配合された再生紙」を採用した。

●協業に至った背景

UCCジャパン株式会社 サステナビリティ推進室 願能(がんのう)千瑛氏は、協業に至った背景について次のように語る。

「協業に至ったのは、イベントで出会ったタカラトミー社と当社の間で、共創を重視する両社により新たな価値創造ができるのではないかとの対話があったことがきっかけでした。その後、両社の特徴を活かしたコラボレーションを検討する中で、ともに次世代教育に力を入れていることから、新たな形の教育コンテンツ創造を協業の第一歩としました。『みんなでつくるSDGs人生ゲーム』などのオンライン授業で使用するリアクションカラーカードという参加した子どもたちがリアクションを取るために使うカードの一つに我々の再生紙を活用いただきました。身近で分かりやすいコーヒーを通じて、より具体的にSDGsについて考える機会を提供することが可能になりました」

リアクションカラーカードを掲げる小学生の様子

この再生紙は、古くからUCC社員の名刺の用紙として使われるなどしてきたもの。抽出後のコーヒー粉を配合することで、色合いはコーヒーをイメージする暖かみのある薄茶色に、麻袋を配合することで和紙のような質感を表現できる。

●異業種コラボによる効果

コーヒーメーカーと玩具メーカーとは、これまで交わることはほとんどなかった異業種コラボ。どんな効果が出ているのか。

タカラトミーのもとには、リアクションカラーカードを通じてUCCの取り組みを知った子どもたちから『誰とでも仲良くする』『困った人がいたら助ける』『地域の活動に参加してみたい』などの感想が寄せられ、異業種コラボの効果を実感しているという。タカラトミーは、子どもたちに「協力することの大切さに気づいてもらいたい」との想いからコラボを始めたため、イメージした効果が得られているそうだ。

「初コラボを機に、UCC×タカラトミーの合同セミナーの開催にもつながりました。人生ゲームという著名で楽しく学べるコンテンツに、UCCの『コーヒーから考えるSDGs』の内容を取り込むことで、コーヒー産業の課題を通じたリアルな現状を伝えつつ、エンターテインメント性の高いセミナーの提供が実現しました。セミナーは想像以上に盛り上がり、異業種だからこそメリハリのある内容となり、相乗効果が生まれていたように感じています」(願能氏)

●今後の展望

今後の展望について、願能氏は次のように語った。

「今後は、希望する学校に対して、合同でオンラインセミナーを展開していきます。また次世代教育の領域に限らず、新たなコラボの実現を目指していきたいです。UCCとタカラトミー、双方のサスティナビリティ関連の課題解決や価値創造に結びつく取り組みが実現できるよう、対話を重ねていきます」

どちらの異業種コラボも、社会的な要請や顧客や消費者のニーズの変化から生まれたものといえる。サスティナビリティを追求することは、企業間の枠さえ取り払う、全体的な地球規模の取り組みにつながることを実感できる。今後はどんなコラボが生まれ、領域の枠を超えていくのか、楽しみにしたい。

文/石原亜香利

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