さまざまな業界で人手不足が叫ばれる昨今、25卒以降の新卒採用も、これまでと変わらず売り手市場が続くと見られている。
そんな中、最新の採用動向では「勤務地や職種などのキャリアを自分で決めたい」という学生のニーズが高まっているようだ。
24卒学生を対象とした調査では、「配属先が選べないからエントリーしなかった」人は約5割に上った。全国転勤や転属のある、いわゆる「配属ガチャ」を前提とした従来の採用は忌避されやすくなっている。
そこでインタツアーは25卒~27卒学生を対象として、配属先の告知を受ける時期、勤務地や職種などの配属に関わる条件、それらが内定承諾や辞退に与える影響などを聞いた『「配属ガチャ」についての意識調査』を実施した。
「内定式までに配属先を知りたい」学生は8割近く!配属告知の遅さは内定辞退の大きな要因に
配属先を告知されるタイミングについての希望を聞いたところ、最も回答が多かったのは「内定通知~内定式」で65.1%という結果に。
以下、「内定式後~入社式」16.7%、「入社研修の間」3.8%が続き、入社までのスケジュールで後になるほど希望者が減少している。「希望無し」はわずか2.6%であった。一方で、「事前にわからないとエントリーしない」は11.8%と1割以上存在していた。
内定式までに配属先を知りたい学生は合計76.9%と8割近くに及び、より早期に配属先を知りたい希望が強いことがわかる。
対比となる企業側の配属通知時期については具体的なデータはないが、内定式後、あるいは入社後に配属先を示すのが一般的とみられ、学生の感覚とのギャップが大きいと考えられる。
続いて配属先の告知が希望の時期よりも遅い場合に、辞退などを検討する要因となるかどうか、志望度に与える影響を質問。
「内定承諾保留や内定辞退の要因になる」と答えた学生は29.9%で、「内定辞退を検討する要因になる」31.1%と併せて6割以上の学生が志望度に影響を受けると回答した。この回答を、設問1とクロス集計すると、より傾向がはっきりと見えてくる。
「内定式までに配属先を知りたい(内定通知~内定式)」学生だけを見ると、「内定承諾保留や内定辞退の要因になる」33.9%、「内定辞退を検討する要因になる」35.6%、合計69.5%とほぼ7割の学生が志望度の影響を受けると回答していた。
売り手市場の影響を受けて内定承諾後でも辞退する学生が増加しており、配属先の告知時期は最終的な入社の決断要因となっているようだ。