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スキルアップとは、訓練や学習によって能力を向上させることである。すでに身につけている能力を磨くだけでなく、新たな技能を習得することもスキルアップに含まれる。
スキルアップしたいと日頃から漠然と考えていても、具体的にどのような方法でスキルアップを図るべきか、悩んでいる人も多いのではないだろうか。この記事では、スキルアップの意味やキャリアアップとの違い、スキルアップを図る方法などについて解説していく。
スキルアップとは
まずは、スキルアップとはどのような意味なのか理解しておこう。
キャリアアップとの違いやスキルアップが重要な理由なども含めて説明していく。
■スキルアップの意味
スキルアップとは、勉強や訓練などを通じて自分の能力を向上させることを指す。ビジネスパーソンに必要とされるスキルは、業務に直結する専門知識や技術だけにとどまらない。
コミュニケーションスキルや問題解決スキルなど、幅広いスキルが必要とされる。これらのスキルを新たに習得したり、伸ばすことをスキルアップと呼ぶ。
スキルアップの言い換え
スキルアップの言い換えとして、「自己研鑽」や「能力開発」、やわらかい表現だと「自分磨き」などの言葉が使われる。いずれも、自分の能力をブラッシュアップし、高めるという意味合いを持つ言葉である。
スキルアップを図る際には、これらのキーワードも意識して情報収集をしていくとよいだろう。
■スキルアップが重要な理由
スキルアップが重要な理由は、変化していく時代に対応する必要があるからだ。社会は常に変化し続けており、新たな技術や知識が次々と生まれている。変化に対応して、時代に求められるスキルを学び、身につけていくことが大切だ。
日々の業務の中では新たなスキルの習得や、スキルのアップデートを十分に行うことができない場合が多い。ゆえに、意識的にスキルアップを図ることが重要なのである。
■スキルアップとキャリアアップの違い
キャリアアップという言葉は、スキルアップと混同されやすい。両者の違いは、キャリアアップには、地位や役職を上げるという意味が含まれる点だ。
例えば、昇進によって役職が上がる、非正規雇用から正規雇用になる、規模の大きい企業に転職する、などがキャリアアップとなる。一方、スキルアップはあくまで自身の能力向上に焦点を当てた言葉となるため、キャリアアップとの意味の違いについて理解しておこう。
スキルアップの目的
漠然とスキルアップに取り組むよりも、目的をもって行動した方がスキルアップのメリットを得られやすい。ここでは、スキルアップの代表的な目的を3つ紹介していく。
■スキルアップする目的1:業務パフォーマンスの向上
スキルアップする目的の1つ目は、業務パフォーマンスの向上だ。スキルアップすることによって、業務が効率的に進められるようになり、同じ業務にかかる時間を短縮することができる。また、質の高いアウトプットを出せるようになるため、周囲からの評価を得られるチャンスも増える。
業務スピードや質が上がることによって、評価アップも期待できることから、業務パフォーマンスの向上を目的としてスキルアップに取り組むのは非常に有益だ。
■スキルアップする目的2:モチベーションの向上
スキルアップする目的の2つ目は、モチベーションの向上だ。新しいことを学び、スキルを身につけることで、自分の能力に対する自信が深まり、レベルの高い業務に積極的に取り組むことができるようになる。また、スキルアップによって、これまで手がけてこなかった分野やポジションへの挑戦も可能となる。
つまり、スキルアップすることによって業務の幅が広がり、新たな経験を積むチャンスも得られるのである。その結果、より意欲的に仕事に取り組めるという好循環を生み出すことが期待できる。
■スキルアップする目的3:キャリアアップ
スキルアップによって業務パフォーマンスが向上し、組織への貢献度が上がれば、昇給や昇進も期待できる。社内でのキャリアアップだけでなく、より良い条件での転職が可能となる可能性もあるだろう。
このように、スキルアップはキャリアアップの手段となりえる。そのため、自身のキャリアに必要となるスキルを見定めたうえで、スキルアップを図ることが大切だ。
スキルアップの方法
スキルアップするためには、どのような方法があるのだろうか。スキルアップの方法として一般的なものを3つ挙げていく。
■スキルアップする方法1:資格取得
資格取得は、スキルアップを図るための代表的な方法である。資格取得のための勉強を通して、スキルを体系的に学ぶことができる。また、資格を取得すると、特定の分野に対する専門的なスキルを有していることの証明となり、転職や昇進を目指す際にも有利に働く。
スキルアップするだけではなく、身に付けたスキルを自身の強みとしてアピールしていくためにも、資格取得は有効な手段である。
■スキルアップする方法2:研修やセミナー
研修やセミナーを活用して、スキルアップする方法もある。研修やセミナーでは、効率的にスキルを身につけることができるようカリキュラムが組まれており、知識が豊富な講師から直にスキルを学ぶことができる。研修やセミナーは、演習やグループワークを通して、より実践的なスキルを習得できるのが特徴だ。
また、研修やセミナーの場では、同じ目標を持つ仲間と出会うことができる。仲間と切磋琢磨しながらスキルアップを図ることができるのは、研修やセミナーならではの利点といえるだろう。
■スキルアップする方法3:副業
副業によってスキルアップを目指す方法もおすすめだ。近年では、働き方改革などの影響により副業を許可する企業が増えている。本業とは異なる分野で仕事をすることによって、本業では得られないスキルを身につける機会が得られる。
本業とは別の環境で、実践を通して学ぶことができるのが副業の最大のメリットだ。2つの仕事をすることによって、タイムマネジメントスキルや経理スキルなども身につくため、多角的にスキルアップすることができるのも副業の良さといえるだろう。
まとめ
スキルアップは、業務のパフォーマンスを向上させたり、キャリアアップや転職などを目指したりするうえで重要である。
まずはスキルアップの目的やキャリアプランを明確にして、必要なスキルを見定めよう。そして、自分にとって効果的と考えられる方法でスキルアップを図っていくとよいだろう。
文/羽守ゆき(はもりゆき)
慶應義塾大学を卒業後、大手IT企業に就職。システム開発、営業を経て、企業のデータ活用を支援するITコンサルタントとして10年超のキャリアを積む。官公庁、金融、メディア、メーカー、小売など携わったプロジェクトは多岐にわたる。現在もITコンサルタントに従事するかたわら、ライターとして活動中。