「職場に自分の居場所がある」と回答した人の割合は年々減少傾向
「職場に自分の居場所がある」と回答した人の割合は年々減少している傾向にあり、2013年から2023年にかけて10.9pt減少した。
これは、現代の職場環境で重視される心理的安全性やエンゲージメントに影響を与える重要な観点だ。
この傾向はコロナ禍前から始まっていたが、ここ数年の減少の理由としては、リモートワークなどによる柔軟な働き方が進んだ一方で心理的な距離が遠くなり、一部の人が孤独感や疎外感を抱いていることが考えられる。
働く場所の自由度が増すことは一般的にはプラスに働く。一方で適切なコミュニケーションの量や質が担保されない場合、個人によっては孤独感や疎外感を持ってしまう。それが要因となって従業員のエンゲージメント低下や生産性の低下につながる可能性がある。
技術の進歩と社会の進化は多くのポジティブな影響を与えるが、それに伴う働き方の変化が、従業員の心理的な側面にどのような影響を及ぼすかを常に考慮することも必要だ。
デジタル技術が進んでも、「人とのつながりを持ちたい」「心の距離を近づけたい」という人間の潜在的なニーズを忘れてはならない。
企業には、従業員が職場での居場所感を持ち、充実した働きがいを感じられるように環境を整備したり、心理的なサポートをする責任がある。
個人が日々心掛けるべきは、日頃から気軽に相談できるような関係性を築き、お互いの理解を深め合い、期待を寄せ合うこと。
仕事の話だけでなく、日常のささいな会話も人間関係を豊かにするためには重要だ。特に新卒入社や異動・転職などで新しい環境に変わった人は、すぐには職場に自分の居場所があると感じにくいものだ。
そのような時、率先してサポートすることを、私たち一人ひとりがより一層意識することが重要ではないだろうか。
調査概要
調査方法:インターネットモニター調査
調査対象:全国の15歳~64歳の就業者
調査実施期間・有効回答数:
2013年12月12日~12月17日 11,264人
2014年12月11日~12月17日 11,839人
2015年12月17日~12月21日 5,503人
2016年12月15日~12月21日 5,583人
2017年12月14日~12月19日 5,624人
2018年12月13日~12月17日 6,983人
2019年12月12日~12月17日 5,467人
2020年12月23日~12月28日 9,350人
2021年12月22日~12月27日 7,699人
2022年12月22日~12月27日 7,461人
2023年12月22日~12月27日 6,257人
調査機関:インターネット調査会社
引用元
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20240423_work_03.pdf
構成/Ara