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アジリティという言葉を見聞きしたことはあるだろうか。アジリティは素早さや機敏さという語意を持ち、スポーツやビジネスシーンなどさまざまな場面で使われる。
本記事では、アジリティの意味やシーンごとの使い方を紹介する。組織のアジリティを高める方法も解説するので、組織運営に関わる方はぜひ参考にしてほしい。
アジリティとは
アジリティという言葉を聞いたことはあるものの、具体的な意味がわからなくて会話で使う勇気が出ない方もいるだろう。まずは、アジリティの基本的な意味を確認しよう。
■アジリティの意味
アジリティは「素早さ」「機敏さ」といった意味を持つ言葉。機敏、軽快さと和訳される英単語「agility」が由来で、日本語のアジリティとニュアンスはほとんど変わらない。
同じく速さを表すワードとしては「スピード」が挙げられるが、アジリティは「即座に加速する俊敏さ」といったニュアンスが強い。ビジネスシーンでも使用される機会が多く、組織運営や意思決定の速さを表す言葉として使われている。
■シーンごとの使い方
次に、アジリティが使われるシーンごとの意味を確認しよう。素早さ、機敏さという意味がどのように派生しているかに着目してほしい。
・IT
IT業界におけるアジリティは、システムやソフトウェアの開発における素早さを表す。市場や顧客の需要をキャッチし、それにいち早く対応する力をアジリティが高いと表現する。変化の激しいIT業界だからこそ、多用される表現といえるだろう。
・スポーツ
スポーツにおけるアジリティは、「アジリティトレーニング」のように身体の素早さや敏捷性を指して使われる。スピードという言葉が使われることも多いが、サッカーやバスケットボールのような瞬発力が求められる競技ではアジリティについて言及される機会が多い。
・犬
アジリティはドッグスポーツの名称としても使われる。指導手と犬が協力して行う障害物競争を指し、トンネル、ウォール、タイヤのような障害物をクリアしていく競技だ。
各障害物をクリアするにはダッシュやジャンプといった機敏な動きが求められるため、アジリティという名称が的確に競技内容を表現している。
アジリティの高い組織の特徴
変化の激しいビジネスシーンでは、アジリティの高さは組織にとって重要な要素だ。ここからは、アジリティの高い組織の特徴を紹介する。
■迅速な判断や意思決定
アジリティが高い組織の特徴としてまず挙げられるのは、判断や意思決定の速さだ。ビジネスの激しい状況変化をキャッチアップするには、組織全体の意思決定の早さが重要。
組織の規模が大きくなると現場と上層部のコミュニケーションは難しくなるが、この課題をクリアしている組織は、アジリティが高い組織といえる。
■情報共有がしやすい
組織間での情報共有がしやすい点も、アジリティが高い組織の特徴。組織間のコミュニケーションが円滑に進められるため、業務における情報共有のスピードも向上する。
また、現場までしっかりと情報共有ができるため、組織の意思や価値観を詳細に伝えられる。組織としての行動指針が明確になることで、現場の指針もわかりやすくなり、現場の迅速な行動につながるだろう。
■変化する状況への適応力の高さ
変化する状況への適応力の高さも、アジリティが高い組織の特徴として挙げられる。アジリティが高いと経営陣の判断から現場の動きに至るまでのフローがスピーディーになるため、変化への対応力も高くなる。
近年はDX推進による変化や技術の変化が激しく、素早く対応する力が求められれるため、アジリティの高さは組織の力に直結するだろう。
組織のアジリティを高める方法
ここからは、組織のアジリティを高める方法について解説する。組織運営に携わる方は、ぜひ参考にしてほしい。
■個人の裁量を拡大する
アジリティを高める方法としてまず挙げられるのは、個人の裁量の拡大だ。個人に裁量がないと、従業員がアクションを起こしたい場合に上司や経営陣の許可を待つ必要がある。
機を逃さないためにも、現場の個人にある程度の決定権を持たせておくことがアジリティの向上につながる。
■業務フローを改善する
業務フローの改善も、組織のアジリティを高める際に有効だ。長らく業務フローが変わっていない場合、現状に適していない業務フローで余計な工程が存在する場合がある。加えて、デジタル化による業務効率化も、アジリティの向上につながるはずだ。
■組織間コミュニケーションの活性化
組織間コミュニケーションの活性化も、アジリティを高めるための有効な方法。例として、スムーズなやり取りが可能になるチャットツール、各人の行動を共有できるタスク管理ツールといったITツールの導入などが挙げられる。
また、従業員同士がコミュニケーションを取りやすいオフィス環境の整備もアジリティの向上につながるはずだ。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部