取材からわかった『X-BLEND CURRY』のヒット要因3
1.家庭での調理時の課題を解決
カレーは大人だと辛口や中辛、子どもだと甘口と、好まれる辛さが異なるのが一般的。家庭でつくる時は従来、大人用と子ども用でつくり分ける、もしくは大人が子どもに合わせて甘口を食べるなどしていたが、これでは負担や我慢を強いることになる。大人と子どもがまったく同じものを食べても満足できるものをつくったことで、負担や我慢を強いることがなくなった。
2.いいところ取りの味わいを実現
ルウを使ってつくるカレーは豊富な旨み、スパイス主体のカレーは華やかな香りに特徴がある。両者のバランスが取れたものを実現するべく3000回を超える試作を実施。旨みもスパイス感もあるカレーがつくれるルウができ、大人と子どもが同じ辛さで満足できるようになった。
3.気づかれていないニーズを掘り起こした
スパイス感のあるカレーが家庭で求められるという仮説のもと、「大人も子どもも一緒にスパイス感が楽しめるカレー」をコンセプトに開発。大人が満足できると同時に子どもでも食べられるスパイス感のあるカレーをつくることができるようになったが、同様のコンセプト、同様の味わいは他に見当たらず、気づかれていなかったニーズを掘り起こすことができた。
大人は子どもに合わせ甘口を食べてもスパイスの味わいと香りが実感できて高い満足感が得られ、子どもはスパイスの味わいを気に入りおかわりするようになったり、いままで甘口しか食べなかったのが中辛を食べるようになったりするようになった。表現は違うが、親子で同じ味わいを気に入ってくれていることが『Come on House』に書き込まれたコメントから多く確認できる。いち早く生活者インサイトに気づいたことが、現在の好成績と好評価につながった。
文/大沢裕司