科学コミュニケーション、およびテクノロジー分野で世界的に活動するカクタス・コミュニケーションズは、自社メールマガジン会員の研究者969名を対象に「AIツール利用に関するアンケート」を実施。
回答結果をグラフにまとめて発表した。
2人に1人が週に複数回、ないしは毎日の高頻度で研究のための AIツールを利用
研究のためにAIツール(ChatGPT、Paperpalなど)を使用した頻度を問う質問では、2人に1人(54%)が週に複数回、ないしは毎日の高頻度で使用すると回答。そして76%が月に複数回使用しており、週に複数回使用する人が39%、毎日使用する人が15%いることがわかった。
■論文執筆においてAIツールが用いられる目的で最も多いのは「翻訳」
研究者の論文執筆において、AIツールが用いられる目的で最も多いのは「翻訳」が78%で、続いて校正/校閲が64%となった。研究者において最もAIのニーズが高いのは、論文の英語化のようだ。
一方、リサーチ・研究・調査にあたる「リサーチライティング – アイデアと全体構造の作成」、「データ分析」「文献整理」は数値が低く、AIツールは主に論文の作成・校正段階で利用されることが判明した。
■論文執筆でAIツールを利用する原稿は「研究論文・ジャーナル投稿原稿」が78%
論文執筆でAIツールを用いる原稿の種類を問う質問では、「研究論文・ジャーナル投稿原稿」が78%、次に「アブストラクト(抄録)」が60%という回答になった。
論文が世界中の研究者の目に留まり、選ばれるための品質に近づける手段の一つとして、AIツールが利用されていることが確認できたと言えるだろう。
※1「ジャーナル投稿原稿」:研究者の間でよく読まれる研究ジャーナル(学術情報誌)に研究者の論文が掲載されるためには、研究者による査読を通過する必要がある。研究者は査読者が適正に評価しうる品質以上での高度な英論文を仕上げることが求められる。
※2「アブストラクト(抄録)」:研究論文における目的や重要なポイント、主な発見を簡潔にまとめた、読者に論文全体を読むことを促す概要のこと。文章量の多い論文を完読できる量には限りがあるため、論文が読まれるか否かはアブストラクトの完成度に大きく左右される。