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ブーストとは、増加や向上など、「今より良い状態にすること」を意味する言葉だ。車やスマホ、ゲームに関連する言葉として目にする機会も多いだろう。しかし、正しい使い方を理解している人は少ないように思える。
本記事では、ブーストについて解説していく。ブーストをかけるといった言い回しの例文も取り上げているため、一度チェックしてみてはいかがだろうか。
「ブースト」とは?
ブーストを辞書で引くと、意味は以下の通り。
押し上げること。また、与圧すること。電圧を上げること。 |
上記の通り、「押し上げること」「圧を加えること」「電圧を上昇させること」といった幾通りもの意味を持つのがブーストだ。名詞のほか動詞として用いられるケースもある。
■ 由来・語源
カタカナ語のブーストの語源は英語のboostに由来していると考えられている。
boostは、「増加させる」「後押しする」「高める(向上)」などの意味を持つ動詞もしくは名詞だ。総じて、現状より良くするニュアンスを持つ言葉と分かる。
■ 「ブースト」の分野ごとの意味
日本語におけるブーストは、先述の「増加」「向上」といった意味をベースに、分野ごとにやや違った意味合いを示す。以下では、4つの分野における意味をまとめた。
・自動車の分野における意味
自動車の分野においてのブーストには、エンジンの内部に送り込む空気圧を高めるという意味がある。
本来、車のエンジンは燃料に空気の圧が加わってエネルギーが発生する仕組みだ。車のエンジン内に送り込む圧をブースト圧とも言う。
・スマホの分野における意味
スマホ分野のブーストは、重くなったスマホを快適化することを意味する。
使用頻度の低いアプリの削除やキャッシュのクリア、データの削除などによって、動作をスムーズにすることを総じてこう呼ぶ。
・ゲームの分野における意味
ゲーム分野におけるブーストは、キャラクターの能力を一時的に向上させることを意味する。
アイテムを使ったり特殊スキルを発動させたり、何かしらの能力が上がることをこう呼ぶ。また、ゲームをより快適に楽しめるブーストモードという言葉も存在する。
・音楽の分野における意味
音楽の分野においては、音量を上げることを意味する言葉としてブーストボタンが使われる。ブーストボタンが備わっていることにより、音量の上げ下げが可能となり、音量全体を増幅させたり、低音域を増強させたりできるのだ。
「ブースト」の使い方
幾つもの分野で使われるブーストは、日常やスポーツ、ビジネスなど、あらゆるシーンで現状より良くすることを表現できる。
以下では、ブーストの使い方を例文とともに紹介していく。
■「ブースト」の例文(自動車・音楽分野)
自動車と音楽分野における例文は、以下の通り。
・いくら加速性能が上がるからといって、ブースト圧を高めすぎてはいけない
・この音楽アプリにはブーストボタンが備わっているから、低音がよく響いている
■「ブーストする」の例文(スマホ・ゲーム分野)
スマホとゲーム分野における例文は、以下の通り。
・アプリをたくさんダウンロードしたので、スマホをブーストしなければならないな
・ラスボス戦までスムーズに進めたいから、キャラクター全員をブーストしておこう
■「ブーストをかける」の例文(スポーツ・ビジネス)
スポーツ・ビジネスシーンの例文は、以下の通り。
・大会出場のための記録測定がもう直前に迫っている。本格的にブーストをかけよう。
・まさに今ブーストがかかっているのだろう。明日は彼が念入りに準備してきたプレゼンの当日だからな。
ブーストは「ブーストをかける」「ブーストがかかる」といった言い回しにすると、「モチベーションを上げる」という意味を持たせられる。
つまり、上記は大会出場がかかった記録測定と大切なプレゼンに向け、やる気を出していることを示した例文だ。
「ブースト」の類義語
次に、ブーストに似た意味を持つ言葉を3つ紹介する。
■「強化」
強化とは、字の通り、「強くすること」を意味する言葉だ。今より状態や能力を上げるといった面で、ブーストからの言い換えに適している。
「装備を強化」「トレーニングを強化」といった言い回しができるため、主にゲームやスポーツ分野の類義語として覚えておきたい。
■「向上」
ブーストを日本語で表現するなら、向上もふさわしい。
「より良い方向・優れた状態に向かうこと」を意味し、進歩とも言い換えられる。「最高・最上」といった意味もあるため、極めて良い状態にしたい時に使うと良いだろう。
■「エンラージ」
エンラージは、「広げる」「大きくする」などの意味を持つ言葉。
写真の拡大や地図を広げるといった物理的なことのほか、事業範囲の拡大や概念の拡張など抽象的な意味も持つ。広く使える言葉として覚えておくと役立つはずだ。
「ブースト」の対義語
最後に、ブーストと反対の意味を持つ言葉を2つ紹介する。
■「弱体化」
強化・向上の対義語としては、弱体化があげられる。
「力が衰えること」を意味し、今より状態が悪くなるというまさにブーストの反対の言葉と言える。
■「スケールダウン」
スケールダウンとは、「縮小すること」を意味する言葉だ。
物の大きさを小さくするといった物理的なケースに加え、計画などの規模を狭めるなどを示す場合もある。増加の反対を指すため、ブーストの対義語として適当だろう。
ブーストとはスマホやゲームなど幅広い分野に使える言葉
日本語におけるブーストとは、「増加」「向上」「後押し」といった意味を持つ言葉と分かった。自動車のエンジン内に送り込むブースト圧の上昇、スマホの快適化、またゲームキャラクターの能力向上など、分野ごとに意味は細分化される。
ビジネスシーンにおいては、個人のモチベーション向上に加え、企業の価値や可能性を高める言葉としても使用可能だ。汎用性の高い言葉としてぜひ覚えておこう。
文/shiro