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説明できる?「受領書」と「領収書」の違い

2024.07.04

ビジネスシーンで「受領書」や「領収書」といった言葉を目にすることはあるが、その具体的な違いはなんとなくわかっていても、よく理解できていない人が多いのではないだろうか。

本記事では、受領書と領収書の違いを詳しく解説するとともに、受領証、納品書、引渡書など、ビジネスで使われる様々な証憑について、その意味と役割を説明していく。

ビジネスで発生する証憑書類の理解は重要不可欠である。本記事を参考に、ビジネスシーンで役立つ証憑書類の知識を深めることができれば幸いだ。

受領書と領収書の違い

ビジネスの現場でよく目にする「受領書」と「領収書」は、どちらも債務弁済の受取を証明する証書として使われている。

受領書と領収書と同じ意味を持つ用語には、上記2つの用語のほかにも「受取証書」がある。受取証書は民法486条に規定されているが、受領書と領収書は民法の条文に明示されていない。つまり、商慣習的に使用されているビジネス用語といえる。

ただし、法務省のウェブサイトには「受取証書(いわゆる領収書)※」 と記載されていることから、民法に規定されている「受取証書」の内容は、「領収書」にもあてはまると言える。

ここでは、「受領書」と「領収書」が、ビジネスの現場で、それぞれどのようなケースで使用されているのかを解説する。

※出典:法務省「電子的な受取証書(新設された民法第486条第2項関係)についてのQ&A」

■受領書とは

「受領書」は、商品・サービスの受け取りを証明する書類として使われる。受領書の書面には、取引の詳細情報や日付、商品・サービスの内容などが記載される。 受領書は、商品やサービスを受け取った発注者側が受注者に対して発行する。

物品の受領書は、あくまで商品を受け取ったということを証明する文書であり、受け取った商品が壊れていたような場合の責任とは関係がないことを覚えておこう。

■領収書とは

「領収書」は、金銭債務の弁済を証明する書類として使われる。金銭受領を証明する書類であるため、税金の申告や経理処理において重要な役割を果たす書類だ。経費処理などの申告の正しさを税務署へ証明できる証拠書類となるからだ。

民法486条1項の条文には、領収書の発行は弁済の受領者が行うこと、支払い側から要望があった場合、受領者側は発行しなければならない旨が記載されている。

(受取証書の交付請求等)
弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。

「受領書」と「領収書」。どちらも取引の証憑として重要な役割を果たすため、その存在は取引の安心性につながるだろう。

※出典:e-Gov法令検索「民法486条1項」

■受領書と領収書の違い

「受領書」と「領収書」の違いは、弁済の対象となる債務が異なることだ。 受領書は、主に物品の受領を証明する際に使用される。

一方、領収書は物品以外の金銭債務や有価証券債務の受領時にも使用される。 また、金銭債権の領収書が印紙税の配布対象となる課税文書であるのに対し、物品の受領書は課税文書にならない。課税文書であるか否かという点でも異なる。

※出典:金銭又は有価証券の受取書とは

その他証憑の意味

ビジネス取引が進行する過程では、受領書・領収書以外にも様々な証憑が登場する。法人税法など各税法や会社法では、一定の証憑書類の保存が義務付けられている。適切な取引を行うためには、証憑書類の意味を理解することが不可欠だ。

■証憑の意味を知っておくべき理由

証憑とは、取引や記録を裏付ける書類のことを指す。 経理処理や税務申告の際には、証憑書類があることで、取引の正確性や合法性を示すことが必要になる。つまり、証憑書類がなければ、取引の事実関係を立証するのが難しくなると言い換えられる。 ここでは発生頻度の高い代表的な6つの証憑について解説する。

■受領証

一般的に「受領証」は、「領収書」や「受領書」と同じ意味合いで使われている。受領証にはこのほかにも、不動産登記において、登記申請の受領を証明する書類でもある。このことは、不動産登記規則第54条に明記されている。

(受領証の交付の請求)
第54条 書面申請をした申請人は、申請に係る登記が完了するまでの間、申請書及びその添付書面の受領証の交付を請求することができる。

他にも、具体的に受領証と銘打った書類としてよく使われているものに「払込金受領証」がある。払込金受領証は、公共料金やネット販売の代金などをコンビニエンスストア等で払込取扱票等を用いて支払った際、当該コンビニエンスストア等から受領する書面のことである。

※出典:e-Gov法令検索:不動産登記規則第54条
※出典:総務省 払込金受領証の取扱いについて

■納品書

「納品書」とは、受注者が商品やサービスを納品する際に、発注者に対して発行される証憑であり、納品日や商品の名称、数量、金額などが記載されている。

納品書には法律上の発行義務はないが、取引の安全性の点からあったほうが望ましく、一般的には納品物に添付して送られてくるケースが大半だ。また発行されれば税法上の国税関係書類に該当するため一定期間の保存が必要になる。

※出典:国税庁 電子帳簿保存法が改正されました

■引渡書

引渡書とは、商品や物件の引き渡しを証明する書類で、引き渡しの完了によって所有権や管理権が移転したことを示す。

具体的には、販売業者や不動産業者などが顧客に対して、工事完了引渡証明書、工事物件引渡書、鍵引渡書のような形で発行されている。引渡書には、引き渡しの日付や詳細な引き渡し内容が記載される。

■検収書

検収書は、発注者が受け取った商品の種類や数量などに問題がないか、また商品に傷などがないかを検品し、問題がなかったことを証明するもので、発注者が発行する証憑である。

先述した物品の受領書は、あくまで商品を受け取ったことを証明する文書であり、受け取った商品が壊れていた場合などの責任とは関係がない。検収書は、物品受領書を保管する役割も果たしているといえるだろう。

ただし、検収書を発行した後に問題点を指摘するのは、商慣習上マナー違反となる可能性が高い。検収書は、慎重に検品を行った上で発行することが重要だ。納品書と同様、検収書も法律上の発行義務はないが、発行されれば国税関係書類となり一定期間の保存が必要となる。また、受注者が売上を検収基準で計上している場合には、検収書に記載された日付で売上が認識される。会計処理上は重要な書類となる。

※出典:国税庁 電子帳簿保存法が改正されました

■受取書

受取書も、「領収書」や「受領書」と同じ意味合いで使われている用語で、何らかの物品や金銭等を受け取ったことを証明する書類だ。

受取書のうち、金銭または有価証券の受取書は、それを渡された受取人がその受領事実を証明するために作成し、渡した人に渡す単なる証拠書類を指す。つまり、金銭または有価証券の受領事実を証明するあらゆる書類を含み、債権者が債務の弁済事実を証明する書類に限定されない。

※出典:国税庁「金銭又は有価証券の受取書とは」

■請求書

「請求書」とは、取引先に対して請求金額を通知し、支払いを要求するための書類である。

請求書を発行することで、商品やサービスの提供者は、「いつどの料金を請求したのか」ということを証明することができ、取引先はその請求書に基づいて支払いを行う。

2023年10月1日から始まったインボイス制度により、課税事業者はそれまでの請求書に課税仕入れなどに関する一定の事項が記載した「適格請求書」を発行しなければならなくなった。適格請求書は一定期間の保存義務が定められている。請求書は経理処理上重要な証憑だ。

※出典:国税庁:No.6625 適格請求書等の記載事項

■伝票

「伝票」とは、取引の履歴や証拠として使われるもので、売上伝票や仕入伝票、振替伝票などの種類がある。商品やサービスの詳細、金額、日付などが書かれ、主にビジネスで利用される。伝票は経理処理や会計記録の作成において重要な役割を担っている。

伝票は作成目的により、税法上の国税関係書類となるか否かが決まる。

社内で決裁や整理のために作られる伝票は、税金の計算や申告に必要な書類には該当しないため、国税関係書類とはみなされない。一方、会計帳簿の内容を補完する伝票として作成される場合は、会計の記録の一部として扱われるため、国税関係帳簿とみなされ、一定期間の保存が必要になる。

※出典:国税庁 「Ⅱ 適用要件【基本的事項】とは」

まとめ

受領書と領収書は、大まかな意味は同じだが、弁済の対象となる債務が異なる。

受領書は主に物品の受け取りを証明する書類であり、発注者が受注者に対して発行する。一方、領収書は物品以外の金銭などの受け取りを証明する書類であり、受け取った人が支払いをした相手に発行する。

ビジネスの現場では、受領書や領収書以外にも受取証、納品書、引渡書、検収書、受取書、請求書、伝票など、さまざまな証憑書類が存在し、取引や記録の裏付けに重要な役割を果たしている。これらの証憑は適切に保管・管理することが不可欠といえる。

確定申告や税務調査の際には、これらの証憑書類を上手に活用することが有益な取り組みとなるだろう。

文/ほりいともこ

事業会社の経理職として20年以上勤務。幅広い業種や企業規模の経理業務に携わる。現在も経理職として働きながら、ビジネス・経理分野のライターとして活動中

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