GfK Japanから全国の総合スーパー、ホームセンターおよび家電量販店における2023年度(2023年4月~2024年3月)の電動アシスト自転車販売動向が発表された。
本稿では同社リリースをもとに、その概要をお伝えする。
2023年度電動アシスト自転車の販売動向
2023年度の電動アシスト自転車販売は数量前年比6%減と低調で、四半期を通じて前年を下回る推移となった。自転車のタイプ別の数量構成比ではホーム車(※1)が48%と約半数を占め、子供乗せ(※2)が21%、シティー車(※)3が13%と続いた。
ホーム車と子供乗せが数量前年比10%減、5%減と前年を割り込む中で、シティー車は同15%増と好調に推移した(図1)。直近の2024年1-3月期では、シティー車の数量前年比が東海・北陸では44%増、中国・四国・九州では37%増と著しい成長を示している。
電動アシスト自転車の販売は3月が最盛期だが、シティー車は通学用として入学前に購入されることが多いことからもその傾向が顕著に表れる。このシティー車の伸長を見る限り、通学用の自転車として電動アシスト自転車が選ばれるケースが増えていると考えられる。
※1 普段使いを主目的として設計された自転車
※2 幼児2人同乗基準に適合した自転車
※3 通勤・通学を主目的として設計された自転車
■大容量バッテリーの需要が拡大
電動アシスト自転車の平均価格は上昇傾向にあり、1台あたり11万4027円と前年に比べて6%上昇した。
価格の上昇の背景として、新モデルの投入と13Ah以上の大容量バッテリーを搭載するモデルの拡大が挙げられる(図2)。
大容量バッテリーを搭載したモデルが増えた要因は二つ考えられ、一つはバッテリー容量の大きいモデルが多いシティー車の販売が拡大したこと。加えて、ホーム車でも大容量のバッテリーを搭載したモデルの増加が見られ、ホーム車における13Ah以上のモデルの数量構成比は33%を占めるに至った。
こうした価格上昇が支えとなり、数量ベースは前年を下回ったものの販売金額では前年並みを維持した。
構成/清水眞希