【AJの読み】健康志向に合致した、ワイン選びの新たな指標
ポリフェノールを多く含む赤ワインは、以前から酸化や炎症をケアするといった健康効果が知られていたが、糖化ケア作用もあることが明らかになった。
ただし、ワインといえども酒。酒が飲めない人、健康上の理由で酒を控えている人には、ブドウジュースでも糖化ケア作用の可能性があるのだろうか?
「ワインは発酵させるため糖分がアルコールに転換されていますし、ポリフェノールはアルコールに溶けやすい性質があります。濃いブドウジュースの色を見るとポリフェノールたくさん入っていそうなイメージですが、実際は白ワインとあまり変わらない程度のポリフェノール量です。ジュースの場合さらに加糖していることが多く、糖化ケア作用は期待できません。
糖化ケア作用は加熱しても損なわれないので、飲めない方には赤ワインを料理に使うことをおすすめします」
第一弾エイジングケアワイン認定での厳選ワインは8銘柄。先に紹介した3銘柄以外では、「レ・タンヌ オクシタン カベルネ・ソーヴィニヨン 2022」(1485円)、「ラ・フォルジュ・エステイト カベルネ・ソーヴィニヨン 2022」(1980円)、「カントドーロ 2020」(1925円)、「バラオンダ バリカ 2021」(2090円)、「メタル カベルネ・ソーヴィニヨン 2022」(1595円)。すべて1000円台(税抜き)というカジュアルワインだ。
「ワインを少量ずつ日々飲んでいただける価格帯のものを選別して検査したということ、成分加えるなど製造上で何かを施すのではなく、既に流通しているワインを検査して認定しているので、カジュアルな価格帯のワインをラインナップすることができました。
研究所の検査は主に5000円以下のワインを対象にしていますが、ワイン全般に糖化ケア作用があるので、調べてみれば、高価格帯のワインにも糖化ケア作用の強いものが出てくると思われます」
厚生労働省から「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が発表されたり、若年層の酒離れが世界的に進んだりと、飲酒に対する風当たりは強くなっている状況。
そんな中、認定されたワインを日常的に適正に飲用することで、酒を楽しみながらエイジングケアが期待できるというのは、ワイン好きにとってはうれしいニュース。ワインを選ぶ際の新しい指標にもなりそうだ。
取材・文/阿部純子