特に若い部下に対する4つの注意点
新入社員とベテラン社員が話す時に特に注意したいポイントについても教えてもらおう。世代を超えた社員同士となると、最近はハラスメントなどの問題も多い。諸富先生によると、上の立場の人間が善意で若い社員に話をする時に、絶対にハラスメントにならない4つの改善ポイントを教えてくれた。
1)密室は避ける
2)二人で話す時間は5分まで
3)若手の側が話、年長者が聞く時間を長くとる。年長者の話は短くする
4)年長者は最後に「さすが!」「あなたなら、できるよ!」と、相手を勇気づける言葉で会話を終える
この4つは特に新卒が職場に配属される今こそ憶えておきたい技術ポイントである。新刊書では臨床経験30年以上の経験をもつ諸富先生の、聞く技術と聞いてもらう技術を紹介した会話の事例がたくさん紹介されている。諸富先生は、「本書に紹介した聞く技術、聞いてもらい、わかってもらう技術を駆使して、より深いこころのふれあいを体験し、充実した人生を生きていって下さい」としている。
諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)先生
【著者略歴】
1963年、福岡県生まれ。筑波大学人間学類、同大学院博士課程修了。千葉大学教育学部講師、助教授を経て、現在、明治大学文学部教授。教育学博士。
臨床心理士、公認心理師、カウンセリング心理士、上級教育カウンセラーなどの資格を持つ。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会常任理事、日本教育カウンセラー協会理事、「教師を支える会」代表。
気づきと学びの心理学研究会アウエアネス主宰(https://morotomi.net/)
著書に『いい教師の条件』(小社刊)、『フランクル心理学入門』 (角川ソフィア文庫)、『カール・ロジャーズ』(角川選書)、『50代からは3年単位で生きなさい』(KAWADE夢新書)、『ほんものの傾聴を学ぶ』『カウンセリングとは何か』『カウンセリングの理論(上)(下)』『新しいカウンセリングの技法』(以上、誠信書房)、『プロカウンセラーの こころの声を聞く技術 聞いてもらう技術』(SBクリエイティブ)など多数。
文/柿川鮎子