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現役医師が説く、科学的根拠に基づく「最高の勉強法」

2024.05.02

アクティブリコール以外の効果的な3つの学習法

――勉強とはひたすらインプットすることであると思っていたので驚きました。さらに先生は1)分散学習、2)精緻的質問と自己説明、3)インターリービングが効果的だと教えてくれました。ごく簡単に教えてください。

安川 分散学習とは、ある学習範囲を一度に勉強するのではなく、時間を空けて勉強することです。同じ内容を、同じ時間をかけて勉強するにしても、分散した方が学習効果が高いということが分かっています。

2)の精緻的質問とは勉強をしているときに「なぜそうなっているのか(WHY)?」「どのようにそうなっているのか(HOW)?」と自分に問いながら勉強する方法です。自己説明には、学習内容について自分の言葉で説明したり、既知の知識との関連を説明したり、自分がどれくらい理解しているのかを客観的に捉えてみたりする作業が含まれます。

3)のインターリービングとは似たような複数のトピックを混ぜ合わせて勉強する方法です。これは一般的な勉強だけでなく、運動でも効果が認められています。例えば、テニスの初心者に3種類のサーブを以下のグループに分けて三週間教えてみた研究があります。

A一日1種類ずつのサーブを練習したグループ
B一日に3種類のサーブを順番に練習したグループ
Cランダムに3種類のサーブを練習したグループ

三週間後にこの3つのグループを比較したところ、最終的にCのグループが最もサーブが上手くなったという報告があります。

実際の勉強では、アクティブリコール、分散学習、精緻的質問、自己説明、インターリービング、そして記憶術などを全て組み合わせて行ってみて下さい。

好奇心をもって勉強すると忘れにくい

――最後に、@DIME読者にコメントをお願いします。

安川 勉強すること、新しい知識を身につけることは、自分を変えることであり、人生を変えることでもあります。最近なんだか仕事がつまらないな、何か変化が欲しいな、と感じている人がいるならば、今以上に多くの時間を勉強に使ってみて下さい。Amazonや大きな本屋ではあらゆる分野の本が手に入ります。ネットでもあらゆる情報が手に入る時代になりました。学びたいことがあれば、いくらでも学べる良い時代になりました。

特に大事にしていただきたいのが好奇心です。好奇心がある時はやる気もあるし、集中力も高く、覚えやすく、忘れにくいということが脳科学の研究で分かっています。

業界のホットトピックや流行について勉強することも大切ですが、自分が本当に興味のあること、以前から興味があったことに基づいた勉強もしてみて下さい。一見自分の仕事に直接的に関係しないことでも、思いがけない発見があったり、自分のオリジナリティーや独自のアイディアにつながり、ビジネスパーソンとしての強みになっていくように思います。

――ありがとうございました!

安川先生は医者でありながら古事記の研究を行い、日本神話を医学的視点から解説するという論文を書き上げた。「僕の臨床医としてのキャリアには全く役に立たず、日本で最も読者が少ないであろうと思われる論文」と新刊書で書いていたが、歴史的な意義は大きい。興味のある分野に突き進む先生のエネルギーと、勉強好きに圧倒される。安川ファンは確実に増え続け、新刊書はベストセラーとなり、YouTubeチャンネル登録数も増加中だ。インプットからアウトプットの勉強へ、新しい勉強法で効率的にスキルを身に着けたい。

安川康介先生
2007年慶應義塾大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター初期研修修了後、2009年に渡米。University of Minnesota内科レジデンシー、Baylor College of Medicine感染症フェローシップ修了。米国内科専門医・感染症専門医。南フロリダ大学内科助教。新刊「科学的根拠に基づく 最高の勉強法」(KADOKAWA発刊、定価1600円+税)

文/柿川鮎子

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