日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が、2023年度(2023年4月~2024年3月)の新車販売台数を発表。ホンダのN-BOXがトヨタのヤリスに3万5000台近い差をつけて1位に輝きました。3年連続、軽自動車に限定すると9年連続でトップをキープしたことになります。
ホンダの軽自動車のシェアはかつて10%を下回っていましたが、現在では20%近くを占めるまでになりました。これは極めて重要な意味を持ちます。
※画像:ホンダ
高スペックで時代に合った軽自動車N-BOX
N-BOXは2011年12月に販売を開始した軽自動車。2014年に累計50万台、2016年12月に100万台、2021年に200万台、2023年12月に250万台を突破するというロングランヒットに恵まれました。
軽自動車の販売台数においては、2014年度にダイハツのタントに抜かれたものの、それ以降は首位の座を死守しています。
ダイハツは2023年12月に新車の安全性能を確認する認証試験で不正行為が新たに判明。2024年3月のダイハツ軽自動車の販売台数は前年同月比で8割近く減少しています。N-BOXは2024年3月の販売台数が同23.1%増加。ダイハツから離れた顧客の受け皿になっていると考えられ、しばらく首位の座をキープする可能性が高いでしょう。
N-BOXは高級感のある内装や軽自動車では最大級と言われる室内空間、安全運転支援システム「ホンダ センシング」を標準装備して人気を博しています。
日本自動車工業会の調査(「軽自動車の使用実態調査報告書」)によると、軽自動車の利用者の6割は女性。60歳以上の高齢者が45%を占めています。そして、フルタイム以外の形態で仕事をしている人、または仕事をしていない人の割合は66%。軽自動車は女性や高齢者、節約志向の高い人に好まれる傾向が高いのです。
安全装備は高齢者にとって心強い味方であり、普段の買い物や子供の送り迎えに出かける機会の多い女性は居住性の高さを求めます。
N-BOXの開発には、女性の声を徹底的に取り入れたことで有名。一般職の女性社員から軽自動車に対する声を拾い、顧客に向き合いました。顧客第一主義に立ち返った結果、ヒットさせることができたのです。