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子どもを過保護に包み込む「ラップ子育て」が問題視される理由

2024.04.26

過干渉になる親、その背景は?

一方、過干渉のほうは教育業界でもより問題視されることが多い。前出の塾経営者との話では、「子どもをここに進学させたい、こういう人生を送らせたいとレールを敷き、そのとおりになるよう塾に要望してくる親がいる。そういう家庭の子どもは、自己判断ができず指示待ちの姿勢が多く、誰かがお膳立てしてくれるのが当たり前なので、他人への感謝の気持ちも薄い」とのことだった。

現実がどうであれ理想通りに子どもが伸びないと納得できず、「ちゃんと勉強させてください」とクレームが入ることも多いのだとか。

「そういう親は、自分が歩んだ道が絶対だと信じているか、自分の人生を失敗ととらえて二の舞にならないようにと思っているかのどちらかです」と言うが、過干渉になる親もまた、何らかの生きづらさを抱えているのだろう。

筆者が見てきた子どもでも、保護者から「この学校へ進学できなければダメ。それ以外の選択肢は全部失敗」という考えを刷り込まれた結果、親に提示された選択肢以外の進路に進んだものの、その道を肯定的にとらえられなくなっているケースがある。

親が敷いたレールを歩くために、他の好きなことを諦め、読書でさえも「この本ならいい、この本はダメ」と選別され、自分は何が好きなのか、何をしたいのかがわからなくなっていく子もいる。

このように過干渉に育てられた子どもは、たとえ親が思うようなコースをたどったとしても、「自分の本当の考え」を自分で理解したり、他人に主張したりすることは難しくなるだろうし、言われたことをやることが正解になっていくため、社会に出た時も指示待ちの姿勢になってしまうのだろう。

また、たとえ失敗したとしても、自分が本当に望んで挑戦したことではなければ、「悔しい」「次こそは」という感情よりも、「怒られてつらい」「やっぱり自分はダメなんだ」とネガティブな受け止め方しかできなくなっていくのではないだろうか。

「ラップ子育て」のような言葉が生まれ続けるのはなぜか?

冒頭で伝えたように、過保護や過干渉な子育ては、ラップ子育て、ヘリコプターペアレント、カーリングペアレントなどと言われ、全世界に共通して問題視されている。

多くの保護者も、当然「そういう子育てはよくない」と認識はしているはずだ。それなのに、なぜいつまでも話題に上り続けるのだろうか。

過干渉が教育虐待にまで発展し、痛ましい事件を引き起こす例も後を絶たないが、なぜなくならないのか。

その理由を考えてみると、「子育ては保護者のみが責任を負うもの」という自己責任論や、「子どもの学力や進路によって親の実力が判断される」と偏差値至上主義のうえで成り立つマウントの取り合いなどが挙げられると思う。

ラップ子育てのように、親が子どもをラップに包み込んでできるだけ外気にさらさないようにしても、「子どもは学校や家庭だけでなく、地域の人などさまざまな大人で育てる」という社会であれば、包み込むこと自体の難易度が高くなる。

また、保護者自身も他者と関わりながら子育てをするという感覚がなければ、知らず知らずのうちに過保護や過干渉になってしまっていても気づくことが難しい。

過保護、過干渉な子育てを非難するのではなく、親たちをそうさせているものは何なのか、考えていく必要があるだろう。

文/大西桃子
1980年生まれ。出版社3社勤務を経てフリーのライター、編集者となる。2014年4月より東京都中野区で、主に低所得世帯の中学生を対象とした無料塾を創設、運営。同区内の子ども食堂の運営にも関わる。

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【著者プロフィール】
●佐藤ねじ
1982年生まれ。プランナー/クリエイティブディレクター。面白法人カヤックを独立後、2016年ブルーパドルを設立。WEB・アプリ・商品やお店などの企画とデザインを行う。主な仕事に「ボードゲームホテル」「隠れ節目祝いby よなよなエール」「アルトタスカル」「不思議な宿」「佐久市リモート市役所」「小1起業家」「劣化するWEB」など。著書に『超ノート術』(日経BP)がある。

●佐藤蕗
1982年生まれ。手づくりおもちゃ作家。建築設計事務所勤務を経て、第1子の出産を機にフリーランスに。育児をしながら作っていたおもちゃが反響を呼び、デザイナーやイラストレーターとしての活動のかたわら造形作家として、現在は雑誌や新聞、WEBなどで作品を発表している。著書に『ひらめいた! 遊びのレシピ ふきさんのアイデアおもちゃ大百科』(偕成社)など。

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