インターホンから地域情報を発信するメリットは?
情報発信にインターホンを活用するメリットとは何でしょうか?
そもそも、インターホンは誰もが見やすいリビングや、廊下などに設置されていることが多いですし、基本的には24時間通電しているデバイスなので、ユーザーがいつでも情報にアクセスしやすくなっています。
これは、情報への接点が日常的になることを意味するでしょう。
また、まちベルはユーザーだけではなく、地元情報を提供する会社やサービス側にとっても魅力です。
というのも、会社やサービス名を知らないユーザーにも、自宅へ直接配信できて、さらに効果測定ができるデジタル広告だからです。
サービス開始前に2回行われた実証実験では、マンション住人の平均30%の世帯がインターホンに届いた情報をチェックしていて、集客率も平均4.5%と高い数値になっていた模様。
ちなみに、一般的なチラシの反応率は0.01%~0.3%程度であることから、まちベルによる告知が、いかに効果的なのかがわかるでしょう。
また、広告を初めて作る方にもわかりやすい入力フォーマットを、パナソニックが用意しているため、デジタルマーケティングに明るくない事業者でも安心です。
事業者との月次レビューミーティング、3か月に1度のビジネスレビューミーティングも開催するなど、パナソニックは地域活性化のために、事業者を手厚くサポートする体制を整えます。
もちろん、まちベルはパナソニックが事業者向けに提供するサービスですが、エンドユーザーにとっては、自宅周辺の新店舗情報やお得なクーポンが手に入るので便利。
今後、参加する事業者が増えてサービスが広まるほど、ユーザーの利便性が向上するといえます。
実際にまちベルを利用したユーザーの約90%は、また利用したいと回答しているとか。特に、マンションへ引っ越してきたばかりで、自宅周辺について詳しくないユーザーにとっては、地元を知ることができて便利……と、高評価を得られたそうです。
いずれインターホンからお店の予約や商品の購入ができるように!?
サービス開始当初こそ、大規模マンション向けに導入されるまちベルですが、今後は小規模マンションや賃貸マンション、将来的には戸建てへのサービス提供も予定しています。
地域に密着したサービスなので、初めは限定したエリアごとでの展開を進めますが、2030年には全国100エリアでの展開を想定しているそうです。
また、広告を配信する、クーポンを配布するといったサービスのみでスタートしますが、いずれはインターホンから直接お店の商品を購入したり、支払いもできるような決済サービスを拡充する計画もあります。
つまり、気になるお店、サービスをまちベルで見つけたら、インターホンのみで完結するサービスへと成長していく可能性もあります。
2030年の売上目標は16億円とパナソニックは見越しています。プラスしてサービス事業や、物販にも貢献できる可能性があると、期待は膨らむばかりです。
ほとんどの家庭で当たり前についているインターホン。そこに着眼して新たなサービスを展開するまちベル。
今後、〝地元情報はインターホンから〟が当たり前になる、そんな未来があるかもしれませんね。
【参照】まちベル|パナソニック
取材・文/佐藤文彦