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「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」は、使い方のイメージはできても、具体的な活用シーンがわからないという疑問があるかもしれない。また、このことわざの正しい理解には、由来や語源を知ることが重要である。
本記事では「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」の意味や例文、そのほか類義語や英語表現について解説する。意外なシチュエーションでも使えるため、ぜひ最後までチェックしてほしい。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とは?
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」は、「恥を気にして聞かなかったなら、一生の恥を受ける」を意味することわざだ。以下では、正しい意味と由来を解説していく。
■意味
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」を辞書で引くと、意味は以下の通り。
無知であることを恥じ、分からないことを人に聞かないでいることを、その後の人生においてずっと恥を抱えたままになるとして非難する語。「一生」の部分が「末代」になり、恥が子孫にまで継承されると考える言い回しも存在する。 引用:実用日本語表現辞典 |
このことわざは、学びや成長の重要性を強調しており、特に新しいことを学ぶ際に自分の無知を恐れずに質問することの大切さを教えている。
また、恥をかくことを恐れるあまりに質問や学びを避けると、結果的に長期的な損失を招くことを警告している。
■由来
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」のルーツは、一字一句を同じとした正確な由来がない。しかし類似の原型となるものに、俳句などを記した俳論書の「毛吹草(けふきぐさ)」があった。
この書には「問ふは一旦の恥、問はぬは末代の恥」と記されていた。古語が入っているが、意味はわかりやすい。時の経過とともに、数々の言い回しを経て「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」になり、固定されたと考えられる。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」の使い方
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」は、結果がネガティブになったものとも捉えられやすい。だが活用によって合うシチュエーションが変化するので、例文をチェックしていこう。
■質問を投げかける時の例文
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」はビジネスシーンにマッチする。例文を見てみよう。
・引っ込み思案な性格だと質問しづらいと思うけど、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言うので、遠慮なく聞いてほしい。
・新人の頃は控えがちになるのはわかるが、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」にならないよう、質問はどんどんしてくれ。
上司や先輩が後輩社員に向け、質問を投げかける際に使いやすい。ことわざを通じてコミュニケーションをとることができるだろう。
■ポジティブに用いる時の例文
前向きに使える例文も以下で確認してみよう。
・クールで博識な女性だからかプライドが邪魔をする。だが「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」にならって、質問をしてみようか。
・化粧品売り場での実習を終えた私。シャイだけど「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」を参考に質問した結果、褒められて良かった。
上記のように「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」の活用法がいくつも見出せた。ポジティブに考えたうえでのチャレンジや、過去形で自己を評価する時にもうってつけといえるだろう。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」の類義語
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」には、類義語がある。自分にとって扱いやすい類語を選べるよう、早速チェックしていこう。
■聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥
「聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥」は、最も類似したことわざだ。「一生」が「末代」に変わっているだけである。なお、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」の一生は、死ぬまでの間と考える人がいるだろう。
■失敗は成功の元
「失敗は成功の元」は、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」よりも短いため、スマートに使いたい時に活用しよう。「失敗したって良い、成功の元となる」という意味なので、「質問して怒られて失敗と思っても、先々に成功すれば良い」とポジティブに捉えることもできるだろう。