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「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の由来は?福沢諭吉が残した名言の本当の意味

2024.07.08

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」とは、『学問のすすめ』で有名な福沢諭吉に由来することわざである。だが、詳細を知っている人は多くないだろう。

本記事では、この表現の意味と由来、使い方・例文を詳しく解説していく。類義語や対義語も解説しているのでぜひチェックしてほしい。

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」とは?

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は、平等を意味することわざだ。以下では、正しい意味と由来を解説していく。

■意味

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は『学問のすすめ』の中で以下のとおり使われている。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤きせん上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資とり、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり」

引用:青空文庫 学問のすすめ

このように『学問のすすめ』の冒頭にあることから目を引き、時代を超えて名言として語り継がれているのだろう。

意味は、「生まれながらに人は平等で、上下の優劣はない」といったもの。

ただし、実際のところ『学問のすすめ』の内容は四民平等を単純に説くものではない。アメリカの独立宣言の序文『すべての人間は、生まれながらにして平等である』を意訳して引用しただけで、これが福澤諭吉自身の考えというわけでなく、本質的な内容は勉強不足な国民に対し、「国を良くしたいならもっと学問をしたほうがいい」と勧めるものである。

■由来

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉が生まれたのは、『学問のすすめ』が刊行された1872年(明治5年)にまで遡る。

日本語で表現をしたのは福澤諭吉だが、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」という先ほどの原文に着目すれば、考え方自体は伝聞であることがわかる。

1860年、福沢諭吉は25歳時に幕府の遣米使節によってアメリカへ渡ったこと史実があり、在米中に得た知見として、アメリカ独立宣言の「すべての人間は生まれながらにして平等である」を自らの言葉に落とし込んだのが由来といえるだろう。

引用:国立国会図書館 国際子ども図書館

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の使い方

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は、「人は皆平等で、差別されるべきではない」という意味合いだ。さっそく使い方をみていこう。

■注意喚起に使う際の例文

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」を、注意喚起で使いたい時の例文は以下の通り。誰かと誰かを比べたり、自分と他者の間で優劣をつけたりするスタンスへの指摘として使える。

・優秀な生徒だからと優劣をつけてはいけない。天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言うじゃないか。

・他人と自分に対して差をつけては駄目。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言うでしょう。

■ポジティブな使い方の例文

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」を、前向きに使いたい時の例文は以下の通り。この名言は、「生まれながらに平等」という固定観念にとらわれるのではなく、アクションなしにはその平等は勝ち取れないことを表現するのにも使えるだろう。

・「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」が綺麗事で済まされている。我々でパワハラ問題を解決しよう。

・「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉に甘んじて努力を惜しむと貧乏のままだ。スキルを磨いていこう。

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の類義語

「人には上下の差をつけない」といった意味を持つ、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」に似た言葉は複数ある。以下では類義語を二つ紹介しよう。

■一視同仁

「一視同仁(いっしどうじん)」は、すべてを平等に慈しみ差別しない、えこひいきなく、だれかれの区別なく同じように人を遇することを意味する。

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の意味合いに最も近い四字熟語で、短く言い換えたい時に最適だろう。

■兼愛無私

「兼愛無私(けんあいむし)」は、自他の区別なく広く人を愛することを意味する。

漢字の「愛」が使われているからか、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と比べると、ぬくもりのある印象を覚える人もいるだろう。

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