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"ぬるま湯体質"との違いは?心理的安全性が担保されたチームの作り方

2024.04.23

Googleが「心理的安全性が高まると、チームのパフォーマンスが向上する」という発表をして以降、世界中で注目されています。

しかし、一方で心理的安全性という言葉が独り歩きし、組織や人によって解釈が異なっているケースもあります。本来は、組織のパフォーマンスを最大化させる事が目的ですが、

使い方を誤ると、逆に組織のパフォーマンスが下がってしまいます。

今回は、コンプラ違反が叫ばれる昨今、健全な職場とチーム運営の為に、職場の心理的安全性と高めるメリットとその方法について解説します。

心理的安全性とは何か?

まずは、心理的安全性の定義が曖昧な為、「話しやすい環境を用意すれば良い」や「部下との1on1の場を設ける」といったようなケースも多々あります。

これでは、手段が目的化してしまい、意味がありません。

心理的安全性とは、個人に当てはめると以下のように定義されています。

「人々が安心して組織の変化に応じて、自らの行動を変えるためには、心理的安全性が重要。心理的安全性によって、個人は批判されることへの防衛心や不安から解放され、集団の目標や問題解決に注目することができる。」

そして、更にチームレベルに引き上げると以下のように定義できます。

「職場で対人関係のリスクを選択することに対して安全であるという、チームに共有された結果についての知覚」

チームに心理的安全性がある状態とは?

先に、チームに心理的安全性がない状態について解説していきます。

1:無知と思われる不安
2:無能と思われる不安
3:邪魔をしていると思われる不安
4:ネガティブと思われる不安

このような状態では、チーム内での個人の行動をリスクと捉えて、自身の業務に集中できる環境ではありません。

では、心理的安全性がある状態に言葉を変換していきます。

1:分からない事、知らない事は、すぐに聞く事ができる。
2:ミスを受け入れて、すぐに報告する。
3:アイデアや改善提案を言う事ができる。
4:ネガティブな内容含めた現場の情報を報告する事ができる。

このような環境をリーダーが作る事が出来れば、チームが活性化しパフォーマンスが向上するイメージを持っていただけるはずです。

心理的安全性のあるチームの作り方(ルール編)

では、具体的にどのようにして、心理的安全性のあるチームを作っていくかを解説します。ポイントは、3つです。(1)ルールの明確化 (2)事実ベースでのコミュニケーション (3)役割の明確化

1つ目のルールの明確化ですが、前提として人は感情を持った生き物です。それぞれ、育った環境が異なるように価値観も人それぞれです。

組織という集団においては、時に価値観の違いから、感情論になり対人関係の悪化に繋がるケースはよく聞きます。最悪な場合、社員の退職にもなりかねません。

組織は会社の経営理念やビジョンなど目的があります。組織が存続する為には、社会から評価を獲得し続けていく事が重要であり、その為には一定のルールを決めなければいけません。それぞれが、自分の感情のまま好き勝手ものを言う状態では、いくら時間があっても、話は纏まりませんし、同じ認識で仕事をすることは出来ません。

日本でいうと、国の法律のような意味合いです。仮に、法律のない国に住む事になった場合、自分では犯罪行為だと思うことも、他の人からしたら、普通の事だと思われている場合、そんな恐ろしい国では生活したくありません。

言い方を変えると、ルールは組織や個人を守る為のもの、仕事に置き換えると迷わずに仕事に集中できる環境を整えるという事になります。

2つ目の事実ベースでのコミュニケーションですが、よく「私は◯◯だと思います」「お客さんが、◯◯だと思いまして」などと、自分の思いや主観でコミュニケーションをしているケースを見かけます。これでは、上司側は何が正しい情報なのかを正確に捉えることが出来なくなってしまいます。ここでいう事実とは、お客さんから言われた発言や業務上発生したミスなどが該当します。ただし、部下全員が事実ベースでのコミュニケーションが出来るとも限りません。特に経験の浅いメンバーなどは、自分の意見と事実の区別がつかない事もよくあります。その場合は上司がヒアリングから整理し、情報を事実化してあげる事も必要なスキルです。

また、部下から上司に相談や報告がしやすい環境作りとして、部下から悪い報告があったとして、決して上司は感情的にならない事です。例えば、上司が明らかに機嫌の悪そうな表情をしている時に、部下は相談や報告をすぐに出来そうでしょうか?

恐らく大半の人は、今は機嫌が悪いから後にしようと、すぐ報告できないはずです。

これは、上司自らが心理的安全性の悪い環境を作ってしまっているという事になります。

心理的安全性のあるチームの作り方(役割編)

3つ目の役割の明確化です。ルールを明確にする事で、対人関係のコミュニケーションにおける、認識のズレなどは解消されます。ここでの注意点は、話やすさ=何でも遠慮なく話しても良いという訳ではありません。そもそも、組織における立ち位置は、役割によって決まっており、各役職には達成しなければならない責任が付帯してきます。

上司が心理的安全性を意識するがあまり、部下の意見を聞き過ぎて、本来上司がやらなければならない役割を達成できないなら、それは本末転倒です。

ですので、上司と部下の役割の違いを明確にし、上司はチームが達成する為に

部下から情報収集し、意思決定していく必要があります。

イメージとして、上司は責任者としてチームが勝つ為に部下に指示をする。

部下は、その指示を実行する責任があり、実行する上で弊害があれば、その事実を上司に即座に報告。上司は、その情報を元に再度意思決定し、最終結果責任を負います。この上司部下間での情報流通が事実ベースに基づいたコミュニケーションになっている組織は、心理的安全性のある組織と言えます。

記事のまとめ

リーダーが心理的安全性の意味を履き違えて、部下に迎合してしまうと、雰囲気は良いがパフォーマンスが上がらない、ぬるま湯体質な組織になってしまいます。

リーダーは、心理的安全性の意味を正しく捉え、部下のパフォーマンスが最大化できる環境作りとして、ルール、役割を明確に設定し、感情で判断せず事実ベースでのコミュニケーションを取っていく事が出来れば、組織にとって良いリーダーになれるはずです。

文/田中慎一

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