従業員50名以上の事業場において、1年に1回の実施義務があるストレスチェック。このストレスチェックの集団分析を活用した職場環境改善を行っている企業は、いったいどれくらい存在するのだろうか?
国内最大級の産業医紹介サービスを行っているドクタートラストはこのほど、企業の産業保健活動についてアンケート調査を行い、産業保健活動を担う衛生管理者や人事総務担当者、産業医、保健師など175人から回答を得た。
以下では、産業保健活動の実態調査結果、および「産業保健活動としての1on1ミーティングの有効性」について、ストレスチェックコンサルタントによる解説を紹介する。
1. およそ6割の企業がストレスチェックの集団分析を活用した職場環境改善を実施
図1は「ストレスチェックにおける集団分析を活用した職場環境改善の実施状況」の設問に対する回答結果だ。
ストレスチェックの集団分析結果を活用した職場環境改善は、努力義務にとどまっているが、メンタルヘルス不調の未然予防だけでなく生産性を向上させる効果もあり、実施が望ましいとされている。
今回のアンケートでは、回答者全体の約6割となる103社が、ストレスチェックの集団分析結果を活用した職場環境改善を実施しており、多くの企業が労働環境に配慮した取り組みを行っていることがわかった。
また、「どんな職場環境改善施策を実施しているか」についても回答を得ることができた。以下では、その中でも多くの企業が取り組んでいた職場環境改善施策を紹介する。
回答内容(一部抜粋)
<職場環境改善の具体的な取り組み>
・ 産業医面談の勧奨、地域の産業保健センターの面談を斡旋
・ 部署内での話し合いの場を設ける
・ 衛生委員会やアンケートで意見の吸い上げを行う
・ 管理職への研修やフィードバックを実施する
・ 1on1ミーティングの導入
そのほかにも、時短勤務の導入や有給取得の奨励、産業医による講話の実施などを挙げる企業もあった。