入社した時にはやる気でみなぎっていた人が、徐々にやる気をなくしていく……。それは、リーダーや周囲の些細な言動が原因かもしれません。
社員のモチベーションが低下する職場風土の改善には、実は「関係密度」がカギになるのだそう。この「関係密度」とは何なのか、そして高めるポイントとは?
700を超える企業の職場風土改善に関わってきた中村英泰さんの著書『社員がやる気をなくす瞬間 間違いだらけの職場づくり』から一部を抜粋・編集し、〝社員のやる気を奪う間違った職場づくり〟を打破するヒントを紹介します。
時代とともに変わる、仕事の価値観に目を向ける
働くことに対する価値観は大きく動いています。
少し前の統計ですが、新入社員2663人を対象に日本生産性本部が2010年に行ったアンケートの結果を見て、驚いたことを覚えています。
そのアンケートでは、「デートの約束があったとき、残業を命じられたらどうするか」と質問しています。
・デートをやめて仕事をする………85.3%
・断ってデートをする………………14.2%
私が猛烈サラリーマンとして働いていた頃の365日・24時間「ワーク&ワーク」という意識は、過去の産物なんだと実感したことを今でも鮮明に思い出します。
アンケートに衝撃を受けてから、さらに10年を経過し、働くことに対する価値観が変化してきていることを、一層多方面で実感しています。
若い人材の価値は、これからどんどんと上がっていきます。
若い人たちに必要以上にこびを売る必要はありませんが、彼らがなにを求めているのかを知ることは大切です。
下に、さまざまな若い社員からヒアリングした内容をもとに、これまでの職場とこれからの職場の違いをまとめてみました。
個人によって求めているものは違うので、絶対にこうだと思い込んで接するのは危険ですが、1つの傾向として頭に入れておいてもよいと思います。
ちなみに、表のなかにある「ポータブルスキル」とは、論理的思考やコミュニケーション能力などどんな職場環境でも生かせるスキルのこと。「パラレルキャリア」とは、報酬のあるなしにかかわらず、人生を豊かにするために本業以外の活動を持つことです。
時代の変化とともに企業の役割や在り方は、大きく変わっていくということを認識しておくことがとても大切です。
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いかがだったでしょうか?
社員のやる気を左右する「関係密度」が高くなると、「社員の不本意な離職率が低下する」「コミュニケーションの齟齬が減る」「他責志向が、自己課題自己解決型に向かう」などのメリットがあるそうです。
部下や後輩との接し方に悩んでいる人は、心地良い職場づくりのヒントが詰まった一冊『社員がやる気をなくす瞬間 間違いだらけの職場づくり』をぜひ書店でチェックしてみてください。
社員がやる気をなくす瞬間
間違いだらけの職場づくり
発行所/株式会社アスコム
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著者/中村英泰(アスコム)
株式会社職場風土づくり代表
ライフシフト大学 特任講師
My 3rd PLACE 代表
1976年生まれ。東海大学中退後、人材サービス会社に勤務したのち、働くことを通じて役に立っていることが実感できる職場風土を創るために起業し、法人設立。年間100の研修や講演に登壇する実務家キャリアコンサルタント。
監修/田中研之輔