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「流行りの組織論」に踊らされている会社に勤める社員のモチベーションが低い理由

2024.06.16

入社した時にはやる気でみなぎっていた人が、徐々にやる気をなくしていく……。それは、リーダーや周囲の些細な言動が原因かもしれません。

社員のモチベーションが低下する職場風土の改善には、実は「関係密度」がカギになるのだそう。この「関係密度」とは何なのか、そして高めるポイントとは?

700を超える企業の職場風土改善に関わってきた中村英泰さんの著書『社員がやる気をなくす瞬間 間違いだらけの職場づくり』から一部を抜粋・編集し、〝社員のやる気を奪う間違った職場づくり〟を打破するヒントを紹介します。

新しい組織論に手当たり次第、飛びつくのはアリ?

皆さんは、「ティール組織」という言葉を覚えていますか?

意思決定に関する権限と責任をすべてのメンバーに与え、そのメンバー1人ひとりが自ら目標や動機を設定して組織を運営する、いわば究極の自律自走型の組織を目指すというものです。

職位のヒエラルキーを廃し、メンバーが対等でフラットな関係を築きながら社会に貢献し、企業の価値を高めていくという、ある意味では組織の理想形の1つだといってもよいでしょう。

その手順や考え方は、よりシンプルに簡略化され、組織開発の手法として多方面で用いられました。

しかし5年近くたった今、ティール組織はどれぐらい浸透しているでしょうか。

私の知る限り、それに近い形で運営されている企業、組織はごく一部です。

ティール組織の考え方自体がダメだったのかといえばそうではありません。

決して理論が破綻しているわけではなく、シンプルに簡略化され誰でも使えるようになる過程で汎用品化された組織論を活用しようとすると、ティールであっても、アメーバであっても、どちらも違いがなくなっているように感じます。

そもそも、「組織の成立」を、チェスター・バーナード氏の唱えた理論をもとに考えると、「貢献意欲/組織のビジョン達成に貢献したい意欲」、「共通の目的/組織と社員に共通する目的」、「コミュニケーション/組織の諸情報を共有」の3つの要素が必要とされています。

ということは、現組織に、この3つが成立していなければ、それは「組織ではない」ことになります。

組織論を持ち込んでも、その先が組織でなければ機能しない。意味がないのです。

「組織の成立」は、間違いなく、一朝一夕では行えません。

時間をかけて、じっくりと取り組まなくてはならないのです。

グローバル化やデジタル化の影響もあり、世の中は目まぐるしく変化しています。

その流れに合わせるかのように、ビジネスキーワードもコンベアに乗せられてどんどん多産されています。

そして「前回は、あまり効果がみられなかった、次こそは……」「時代の流れに遅れてはならない」と、「組織がなんなのか」を考えることなしにトレンドを追ってしまうのです。

本来やるべきことである「組織の成立」に取り組む前に、オーバーフローとなり、肝心なときに身動きがとれなくなることがないようにしなければなりません。

■バズワードに踊らされ、実体が伴わない

新聞の一面を飾るような「エンゲージメントを高める」、「これからは、自律自走型の組織を目指す」などという言葉を職場で部下に訴えても、右から左へと受け流されます。

その理由は明白です。

部下からしてみると、その言葉の示すものが、日常の景色を好転させるような実効性があるものだと感じられていないからです。

「またいろいろ言っているけど、別になにも変わらないでしょ」ということです。

とある企業では、「中村さん、私は期待していないんですよ。なぜなら、我が社では12カ月ルールってものがあり、どんなプロジェクトでも長くとも12カ月我慢すれば、自然消滅するんです」と、自信ありげに話してくれた管理職がいました。

人事部が従業員エンゲージメントの向上を励行しても、現場の部署では、多少1on1のミーティングが増えただけで、日々やっていることは変わらない。それどころか、余分な仕事が増えることに伴う拒否感のほうが強いと思います。

このように、長く組織の理想と働く現場の現実とのギャップを知る人たちにとっては、従業員エンゲージメントもパーパスも単なるお題目にすぎず、真剣に向きあう気が起こらないのです。

組織を変えようとして、結局なにも変わらないことが「社員がやる気をなくす瞬間」をつくってしまっているのです。

しかし、そうした過去からの延長線上にある目の前の現状に嘆いているほど、企業に残された時間は長くありません。

これまでの経験から断言できるのは、いつか反転させる必要があるのなら、それはできるだけ早いほうがいいということです。

それと同時に、単にお題目を唱えるばかりでなく、当事者としてかかわってこそ価値を生み出せます。

自身を含め、そこにかかわる人のことを考え、最新の理論や用語に血を通わせることを目指す。

そのためには、どうしても社員の「やる気」を引き上げ、興味を持って取り組んでもらわなければならず、社員同士の関係性が良好であることが、必要条件になるのです。

■「How」<「Why」

あらためて巷では、汎用品化された組織論同様に、経営や仕事に関するHow=「方法・手段」に、事欠きません。

つまり、どうやってするのかといった情報であふれています。

しかし、組織が、方法・手段を選択するには、根底に、Why=「目的」がなければならないのです。

ビジネス、企業経営における最近のバズワードである、人的資本経営、パーパス、心理的安全性、エンゲージメント……もすべてHowの状態で届きます。

もちろん、いずれも組織にとって重要であることは間違いありませんが、それらを取り入れようとする前に「Why/なぜそれに取り組むのか」を整理しておく必要があります。

これは、先にお伝えした、「組織の成立」における「貢献意欲」や、「共通の目的」と関連しています。

そして、Whyを考える際に大切なことがあります。

それが、職場の関係性をよくすることです。

決して、代表や役職者の独断で選択することではありません。

単純な話です。

リーダー、管理職が決めたHowについて、「今日から〇〇に取り組みましょう」と舵を切ったときに、それを実行するのは誰でしょうか。

組織とは、1人では成し遂げられない大きなことに取り組むためにあります。

そして、その構成員は、職場の社員です。

新たなことに取り組んだり、これまでとは異なる考え方を導入したり、なんらかの変化を加えるわけですから、社員たちのやる気が欠かせません。

人には、「知らないことや経験したことがないことを受け入れたくない」現状維持バイアスがあります。

それを越えて、社員が主体的にHowを組み入れるには、粘り強い、密なコミュニケーションとともにWhyを共有する過程が必要になります。

組織の変革の機会を間違っても「やる気がなくなる瞬間」にしてはいけません。

このようにHowに取り組むことをきっかけに、Whyを共有するための「コミュニケーション/組織の諸情報を共有」を図り、組織を成立させる機会をつくりだしていくことが、代表や管理職には求められます。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

社員のやる気を左右する「関係密度」が高くなると、「社員の不本意な離職率が低下する」「コミュニケーションの齟齬が減る」「他責志向が、自己課題自己解決型に向かう」などのメリットがあるそうです。

部下や後輩との接し方に悩んでいる人は、心地良い職場づくりのヒントが詰まった一冊『社員がやる気をなくす瞬間 間違いだらけの職場づくり』をぜひ書店でチェックしてみてください。

社員がやる気をなくす瞬間
間違いだらけの職場づくり
発行所/株式会社アスコム
Amazonで購入する
楽天ブックスで購入する

著者/中村英泰(アスコム)
株式会社職場風土づくり代表
ライフシフト大学 特任講師
My 3rd PLACE 代表
1976年生まれ。東海大学中退後、人材サービス会社に勤務したのち、働くことを通じて役に立っていることが実感できる職場風土を創るために起業し、法人設立。年間100の研修や講演に登壇する実務家キャリアコンサルタント。

監修/田中研之輔

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