日本版は中国と大きく異なる
4月から始まった日本版ライドシェアは、タクシー事業者の保護と安全性を第一の優先としたルール作りがされている。
そのため、日本版では中国版と以下のような異なる点がある。
・ライドシェアはタクシー事業者に限定
・タクシー事業者が安全に対して責任を負い、タクシー事業者自らドライバーを採用し研修のうえ、勤務管理も行う。
・ライドシェアはタクシー不足が懸念される時間帯や地域に限定
・価格は既存タクシーと同価格
・支払は電子決済のみ
上記のように、日本版は安全性を担保し、タクシーの供給が増えすぎてしまわないようにしたうえで始まる。そのため、中国のように運転が荒い、または危険運転をする運転手がいたり、タクシーが増えすぎて余計車が渋滞してしまったりというようなことは起きにくいだろう。
一方で、駅から離れた場所では呼べない、呼びたいときに呼べない、タクシーの価格が高く気軽に利用できないという現象は引き続き続くかもしれない。
なお、タクシー会社以外にも参入を求める声が出ている。安全性や一定の品質を保つためには、現状通りタクシー事業者以外の参入を許さない方がいいかもしれない。しかしながら、中国のような価格が安くて自由に呼ぶことができ、自由にどこでもいつでも好きなようにタクシーを利用できるようになるには、タクシー会社以外の参入を認め、さらに一般ドライバーが気軽に始めることができる自由度がないと厳しいだろう。
(参考)
日経新聞 2024年4月8日「日本版ライドシェア、いざ発進 タクシー不足解消なるか」
文/大堀貴子