「何となく元気が出ない」「仕事がしんどい」、こんな悩みを抱えていませんか?休み明けは特に感じるモヤモヤかもしれません。
実は、元気がない状態は〝科学の力〟で解消できるのだとか!
誰でもすぐ実践できるのに、まだ多くの人が試していないメソッドとは?明治大学教授の堀田秀吾さんによる著書『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から一部を抜粋・編集し、科学的根拠に裏付けされた「元気になる方法」を紹介します。
〈ネガティブ・ループにはまってはいけない!〉
落ち込んでいるときほど、人はネガティブなものに巻き込まれてしまう
——— 心理学者ピアジェの研究
気分が落ち込んでしまうときは、どうしたってありますよね。
そんなときは、大抵無自覚に落ち込んでいるのではなく、「何だかうつっぽいな……」「テンション下がっちゃったなぁ」などと、自分のコンディション低下を自覚するもの。そして、セットでいろいろとネガティブなことを考えてしまいがちです。
しかし、落ち込んでいるときのネガティブ思考は百害あって一利なしです。どうか、できるだけ意識的に、自分の中からそのような考えを追い出せるように努力してみてください。
なぜ、落ち込んでいるときのネガティブ思考は良くないのでしょうか。
具体的に悪さをするのが「自己スキーマ」というものです。
「スキーマ」とは、心理学者ピアジェによって提唱されたもので、ごく単純化して言えば、行動や物事の捉え方の枠組・体系です。そして、そのパターンというのは、人によってさまざまです。
自己スキーマは自己に関する知識の枠組・体系で、たとえば、自分の性格、性質に関する知識は自己スキーマに含まれます。
「私は自由を求めるタイプ」とか、「俺は細かいことが苦手な人」などという自己分析は、その人の自己スキーマをあらわしていると言えます。
何かを見て、細かいことを考えずに、「良い」「悪い」と判定するときなどはその自己スキーマが働いています。
自己スキーマで情報を処理するときと、自分の中で一つに体系化されていない知識をもとに情報を処理するときとでは、脳の処理速度も、活動している部位も異なっているのです。
もちろん、これまでの自分の人生の集積として物事を判断すること自体は、決して悪いことではありません。自己スキーマによってネガティブな判断がなされたとしても、それが石橋を叩いて渡ることにつながって、良い結果が出ることだってあるでしょう。
しかし、落ち込んでいるときは話が別です。
よく専門家の間では「抑うつ者の自己スキーマ」というようにセットで用いられることもある言葉なのですが、うつ状態にある人は、自分に関する否定的情報をよく思い出したり、それをもとに物事を捉えたりする傾向が明確に出ることがわかっています。
良い経験や、それに関係する知識をもとにポジティブなことも考えられるのが自己スキーマです。
しかし、落ち込んでいるときはなぜか悪い方向にばっかり考えてしまうのです。
不思議なのは、他者について考えるときはそのような傾向が出ないのですが、自分のことは否定的なことだけをよく思い出すようになり、そのことでますます落ち込んでしまう悪循環、負のスパイラルが生じてしまいます。
ですから、今落ち込んでいて、ついネガティブ思考をしてしまう人は、すっぱりとネガティブ思考を止めることはできなくても、せめて「今自分がネガティブ思考をしてしまうのは、抑うつ者の自己スキーマによるもので、そういうふうになっちゃっているのだからしょうがないんだ」と考えるようにしてみてください。
そういうときは、なるべくネガティブなものを発する場やモノを遠ざけると良いでしょう。
たとえば、ネット掲示板や、批判的なコメントの集まるレビューサイト、また、ネガティブな言動の多い人……自分でコントロールできる範囲では、意識的にこれらから離れるようにしてください。
どうしてもネガティブな人と付き合わなければいけないときは、「笑顔」でやり過ごし、話の中身は聞かない、同調しない、をルールにしてみるのはいかがでしょうか。
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いかがだったでしょうか?
『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』で紹介されているのは、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスがあるメソッド。科学で証明されたノウハウは、きっとあなたの生活に役立つはずです。
テンションが下がった時に試したい、とっておきの方法が詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
誰でもできるのにほとんどの人がやっていない
科学の力で元気になる38のコツ
発行所/株式会社アスコム
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著者/堀田秀吾(アスコム)
明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。また、芸能事務所スカイアイ・プロデュースで顧問を務めるなど、学問と実業の世界をつなぐための活動も続けている。プライベートでは空手、サーフィン、マラソン、近年はヒップホップやロックダンスにも挑戦中と、エネルギッシュな日々を送っている。座右の銘は、「あとでやろうはバカやろう」。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。