「仏作って魂入れず」の対義語
続いて、「仏作って魂入れず」の対義語を2つ紹介する。こちらはことわざではないが、覚えておくと表現の幅が広がるだろう。
■貫徹
貫徹とは、「最後まで挫けず続けること」を意味する言葉。貫き通す対象は、意思や方針、考えなどで、括りはない。関連する有名な四文字熟語に「初志貫徹」がある。最後の一手が足りない「仏作って魂入れず」と、まさに反対の意味を持つ。
■入眼
入眼は、仏像の仕上げに由来することわざ「仏作って魂入れず」に深く紐づく言葉だ。主に物事が完成・成就することを指すが、仏像に眼を入れるといった意味もある。入眼は開眼とも言い換えられるため、いずれも類義語として覚えておこう。
「仏作って魂入れず」をビジネスシーンの教訓に
「仏作って魂入れず」は、「ほとけつくってたましいいれず」と読み、仏像の仕上げに由来することわざと分かった。代表的な類義語は「画竜点睛を欠く」だ。
詰めが甘かったために完成・成功しなかったことをたとえる言葉だが、ぜひ覚えておきたいのが、最後までやり抜くことの教訓としての使い方である。先述の通り、ビジネスシーンでは、いざフタを開けてみると中身がなかったというシーンは少なくない。ことわざを理解するとともに、放り出さないことの大切さを胸に刻んでほしい。
文/shiro