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親身になって話を聞いてくれる人には、また、この人と話したいと感じるものだ。それが、「聞き上手」。もう一度、話したいと相手に思われることは、仕事でも恋愛でも重要な要素。聞き上手な人には、どのような特徴があるのか、また、聞き上手になるためのコツを紹介する。
そもそも「聞き上手」とはどんな人?
「聞き上手」とは、相手の話に真剣に耳を傾け、気分よく、十分に話をさせること。また、単に相手の言うことを理解しようとするだけでなく、建設的な返答ができるように努力する姿勢をさしている。ビジネスセミナーなどでは「傾聴力」と呼ばれることもある。「聞き上手」は、コミュニケーション能力の向上につながることから、聞くテクニックを身につけて、オンオフ共に円滑な人間関係を構築していこう。
「聞き上手」な人の特徴
聞き上手だなと感じる人の特徴をチェックしてみよう。
■目を見て話を聞く
話している人の目をしっかり見て、話を聞いている。別のことをしながらでは、話す方も、どこまで聞いてくれているのかと不安になるが、目が合うことで、その表情から、どれくらい真剣に聞いてくれているのかを感じとりやすい。
スマホを触りながら、「わかった」と言われても、本当に聞いているのか疑ってしまう。目を見ながら話を聞くことで、安心感に繋げている。
■適度な相槌を打つ
話の途中で相槌を打つと、話し手は「きちんと聞いてくれている」という安心感とともに、興味を持ってくれた、理解してくれたと感じる。絶妙なタイミングで、しかも、さまざまな言葉で相槌を打っている。
■明るい表情で声のトーンも朗らか
明るく楽しそうにしていると、人は話しかけたいと感じる。また、話すときの声のトーンも朗らかだ。そして相談する内容によっては、トーンや表情も、自然と相手に合わせられる。深刻な話に笑顔で答えられたら、まじめに聞いてくれていないのではないかと感じるが、そのような場合は臨機応変に、表情だけでなく声のトーンや話し方も変えている。
■自分のことを話し過ぎない
話の内容によっては、経験談など自分のことを話したくなるが、人から促されるまで自分のことは話さない。「そういうことなら、私も○○したことがあって……」と、話し出してしまうと、自分の話を遮られてたと感じさせてしまうためだ。話が続いている場合は、続きはどうなるのかと聞く姿勢を崩さないのが特徴だ。
聞き上手になるための3つのコツ
聞き上手になると、この人と話したいと思われ、人間関係が円滑になり、信頼につながる。もしかしたら、新たなモテ期がやってくるかもしれない。メリットが多いため、ぜひ意識してみよう。
1.相手の話に集中する
当たり前の話だが、相手の話にしっかりと耳を傾けよう。また、自分より相手の気持ちを優先させ、共感することも大切だ。
もし、知らないジャンルの話だとしても、興味を持ち、知らないことは知らないと正直に話すことも誠実さが伝わる。「○○は、興味がないから」と言ってしまうと、そこで話が終わってしまうだけでなく、他のことも軽くあしらわれるのではないかと相手に不安を感じさせ、話しかけられなくなってしまう可能性も。自分が好きな事柄を、知らなかったとはいえ興味をもってくれたらうれしいものだ。相手を理解したいという態度で話を聞こう。
2. 適度な相槌を打つ
話をしていると、これで伝わっているのだろうかと不安になることがある。そんなときに、「うんうん」と共感したり「それで?」と先を促す相槌は、話し手の自信にもなる。ジェスチャーで応えてもいいし、笑ってもいい。その話に合うリアクションをすることで、話し手の気分がより盛り上がる。
また、知らないワードやわからないことがあれば、素直に「○○ってどういう意味?」などと質問することも大切だ。わからないまま話が進むと、内容全体が理解できなくなり、その雰囲気はなんとなく伝わってしまうもの。
途中から、本当に聞いてくれているのか、話に飽きたのではないかと相手に不安を与えてしまう。相槌は、共感だけでなく、ときには質問するなど、内容に一歩踏み込む言葉として捉えておいてもいいだろう。
3.相手の言葉を適度にオウム返しする
相手が話したことを繰り返すことで、内容を理解していることが相手にも伝わるため、適度にオウム返しも有効だ。また、要約することや、違う言葉に言い換えることで、より深く理解していることが伝わる。
さらに、話し方も相手のペースに合わせることで、より信頼感が得られるだろう。ゆっくり話す人に対して早口で話すと、相手は圧倒されてしまう可能性もある。ミラーリングと言われる、相手のペースやトーンに合わせて話すテクニックは相手に安心感を与え、信頼して話しやすくする。
「聞き上手」になるためのNG行動
聞き上手になるための特徴がわかれば、NG行動もわかってくる。ここでうっかりやりがちなNG行動例を紹介しておく。
■何かをしながら話を聞く
ビジネスシーンで見かけるのが、メールを確認しながら、スマートフォンを操作しながらなど、何かをしながら話を聞く態度だ。この場合、この人は話を聞く気がないと思われ、実際、理解度も低いだろう。話を聞くなら、「5分待っていただけたら時間がとれます」など、きちんと向き合う時間をとることが必要だ。
■返事を否定から始めない
話を聞き始めると、自分の考えと違うことがある。その時に、「でもね」や「だけど」など、最初から否定で入ってしまうと、反対意見を受け入れない人だと思われる。まずは、「そういうこともあるよね」と、まずは、相手の意見を受け入れ、その後、他の意見もあることを話そう。
一度、自分の思いを受け入れてもらっているため、その人の話も聞いてみようという姿勢に変化することで、コミュニケーションが円滑に進むだろう。また、自分の意見を押し付けすぎないように気をつけることも大切だ。
■雑に感じる相槌はNG
適度な相槌は重要であると書いたが、相槌が多すぎたり、言葉のバリエーションがなかったりすると、逆効果になってしまうことがある。話の区切りでもないのに、「うんうん」と言われると話のペースが崩れ、本当に理解してくれているのか疑心暗鬼にもなる。相槌は必要だが、きちんと理解した上での相槌が必要であって、形だけの相槌は、邪魔なだけなので気をつけたい。
「聞き上手」を意識することは、コミュニケーションのスキルアップになる可能性がある。まずは、相手の目を見て、笑顔で相槌を打つところから始めてみるのもいいかもしれない。
意識して話を聞いてみると、きちんと相手の目を見てなかったことなど、自分の聞く姿勢について気づくこともあるだろう。そして、最も重要なのが、相手の話を親身になって聞く気持ちだ。その心があれば、セオリーを踏襲しなくてもいつの間にか「聞き上手」になれるはずだ。
文/林ゆり