完全ワイヤレスイヤホンといえば、耳の穴に直接差し込む「カナル型」、耳に被せるよう装着する「オープン型」の2種類が一般的。そんな中、新しい形状のイヤホンとして注目を集めているのが、「イヤーカフ型」と呼ばれる製品です。
その名の通り、アクセサリーのイヤーカフのように、耳に挟み込んで装着するのが、これらの製品の特長です。開放感という意味ではオープン型に近くなりますが、装着感や音の聴こえ方などは、オープン型、カナル型とは大きく異なるデザインです。
イヤーカフ型イヤホンの中でも、話題を集めているのが、ファーウェイの「HUAWEI FreeClip」、BOSEの「Bose Ultra Open Earbuds」の2製品。本記事では、2つの製品を実際に試しながら、イヤーカフ型イヤホンの特徴や、2製品の違いを検証します。
イヤーカフ型イヤホン最大の魅力は装着感
イヤーカフ型イヤホンの2製品を実際に試して感じた最大のメリットは、装着感がとにかく良いという点。HUAWEI FreeClip、Bose Ultra Open Earbudsのどちらも、音楽を再生していないと、存在を忘れるほど違和感なく装着できます。
イヤホン単体(片側)の質量を見ると、HUAWEI FreeClipが約5.6g、Bose Ultra Open Earbudsは筆者調べで約6g。耳を塞がない形状のイヤホンとしては、比較的軽量といえます。
耳に挟み込む形状のイヤホンとして、使用前に気になっていたのが、挟み込む部分に痛みが生じないかという点でしたが、〝挟む〟というよりは、耳のくぼみに〝引っ掛ける〟ように使うため、長時間着けていても、痛くなることはありませんでした。
■着け心地が〝ほぼない〟イヤーカフ型イヤホンのメリット
イヤホンは通常、音楽再生やWeb会議など、音を出すシーンで使う製品ですが、イヤーカフ型イヤホンを使っていると、この固定観念が覆されそうになります。
というのも、先にも触れた通り、イヤーカフ型イヤホンは装着していることを忘れるほど快適に着けていられるので、スマホの「通知読み上げ機能(一部機種は非対応)」との相性が抜群です。
常時音を再生しないのであれば、片耳だけ着けていれば実用的なのもポイントです。
完全ワイヤレスイヤホンは、本体サイズが小さい分、バッテリー持続時間の問題が付き物ですが、片方を耳に着け、片方を充電しておくという利用であれば、電池残量を気にしなくてよくなります。
また、HUAWEI FreeClipは、本体のL・Rが定められておらず、耳に装着したら右耳か左耳かをイヤホンが検出する仕組み。そのため、本体片側ずつを、ずっと右耳、ずっと左耳といったように着けておくことができます。
また、HUAWEI FreeClipは充電ケースがQi規格のワイヤレス充電に対応しているので、本体を片側ずつ使用し、充電ケースはワイヤレス充電器の上に置いておくだけで、繰り返し使えて便利です。
■タッチセンサー式のHUAWEI FreeClipとボタン式のBose Ultra Open Earbuds
2製品の操作性を明確にわけるポイントの1つが、再生コントロール機能。HUAWEI FreeClipは背面をタップして操作するのに対し、Bose Ultra Open Earbudsは、本体上部のボタンで操作します。
個人的には、タッチコントロールだと思い通りに動かないことも多く、誤作動の心配もあるため、ボタン式のほうが扱いやすく感じています。
とはいえ、物理的なボタンは故障するリスクも高くなります。そもそもイヤホン本体でのコントロールをさほど利用しないという人もいるはずなので、強いこだわりがなければ、あまり気にしなくてもいいのかもしれません。