気になる折り目と耐久性でLibero FlipとGalaxy Z Flip5に違いはある?
折りたたみスマホを触ったことがない人は、折り目部分の表示や触り心地も気になるポイントでしょう。
Libero Flipの場合、開いた状態では折り目部分はほぼ目視できません。触ると確かにくぼみがあることを確認できますが、使っていてそこまで気になるシーンはありませんでした。
折りたたんだ状態のディスプレイ間のに隙間は少なく、ゴミなどが挟まる心配はほぼありません。
耐久性に関しては、数年にわたって試してみないとわからないものの、重厚感もあり、作りはしっかりしている印象。Galaxy Z Flip5と比べると、質量が気になるものの、筐体としての完成度は高く、壊れる心配はあまり感じません。
また、特殊な形状である折りたたみスマホながら、IPX2、IP4Xの防水、防塵性能を持つのも重要なポイント。完全防水、完全防塵ではなく、あくまで生活防水程度の性能ですが、使用するうえでの安心感は大きく変わるでしょう。
Galaxy Z Flip5も、Libero Flipと同様に、折りたたんだ際には隙間ができないデザインになっており、ゴミが侵入する心配はほぼありません。メインディスプレイの折り目部分も、目視できるほどではないため、不便に感じるシーンはありません。
また、防塵は非対応なものの、防水性能はIPX8と、Libero Flipよりも高くなっています。これだけの防水性能があれば、キッチンでレシピを見ながら使っても大丈夫そう。防水性能の高さは、さすがハイエンドモデルといえます。
■縦折りスマホの真価が発揮されるのは〝半折り〟スタイル!?
縦折りスマホの便利なポイントはこれだけではありません。
個人的に、縦折りスマホの最たる魅力は、画面を半分ほど折ることでスタンドを使わなくても正面から画面を確認できるところと感じています。スタンドがなくても、座った状態でディスプレイが確認できるのは、外出時などに便利です。
上の写真のように、Libero Flip、Galaxy Z Flip5共にスタンドなしで画面を確認できるのは重宝。スマホでオンライン会議に出席する場合も、手を使わずに本体が独立するのは助かります。
また、セルフィの撮影や、スマホを固定して動画を撮影したい場合にも有用です。
Libero Flipの場合、標準の傾斜範囲は60~110度となっており、この間であれば、自由な角度で自立可能。Galaxy Z Flip5も確度調節は無段階。75~115度の角度でフレックスモードを利用できます。
折りたたみのヒンジ部分は、Libero Flipのほうが若干動きは硬い印象ですが、使い勝手はさほど変わりません。
Galaxy Z Flip5が劣っているというわけではなく、低価格ながら折りたたみスマホならではの実用性を実現しているLibero Flipを素直に褒めるべきポイントでしょう。
安価なモデルながら、ある程度自由に角度調節ができるのも、折りたたみスマホの入門機としてLibero Flipをおすすめしやすい点です。
■3万円台と16万円の縦折りスマホの実力差は?
さて、Libero FlipとGalaxy Z Flip5を使いながら縦折りスマホの魅力についてご紹介してきましたが、一般的なスマホと同様に、処理性能やカメラ性能なども大切な要素です。
特にLibero Flipは、本体価格6万円台、割引を適用すれば3万円台で購入できるとなると、操作性が不安だという人も多いはず。Libero Flipはメモリ6GB、ストレージ128GBで、構成としてはミドルレンジ相当。搭載CPUはSnapdragon 7 Gen 1となっています。
Snapdragon 7 Gen 1は、2022年に登場したミドルハイクラスのチップセット。発売の2年前に登場したチップセットとはいえ、処理性能は必要十分。ソフトバンクから総額9万7200円で販売されているmotorola razr 40sと同じチップと考えれば、コスパの高さが際立ちます。
実際に試していても、ヘビーなゲームアプリなどでは多少安定しないシーンも見られますが、普段使いであれば快適なスペックです。
Libero Flipを快適に使うためにおすすめしたいのが、ディスプレイのリフレッシュレートを120Hzに設定することです。これにより、画面表示も滑らかになるので、操作時のストレスが格段に減ります。
バッテリーの消耗がやや激しくなりますが、折りたたみスマホはそもそもバッテリーの消費が少ないので、使いにくさはあまり感じていません。
そのほか、SIMはnanoSIMとeSIMの両方に対応。FeliCaを搭載しているので、おサイフケータイ機能も利用可能。初期搭載OSはAndroid 13となります。
一方、Galaxy Z Flip5は、2023年版のハイエンドチップであるSnapdragon 8 Gen 2を搭載。メモリ8GB、ストレージ256GBもしくは512GBと、構成は文句なしのハイエンド。Libero Flipと比較しても、価格分の差がそのまま表れている部分です。
バッテリーは3700mAh。電池持ちがよい折りたたみスマホとしても少々心もとないサイズとなっており、長時間の外出時には若干の不安を覚えます。
設定次第で省電力に利用できますが、フル機能で使う場合は、モバイルバッテリーがあると安心。ハイエンドスマホだけにバッテリーの消耗も大きく、Libero Flipのほうが電池切れの心配は少ないといえます。
■シングルレンズのLibero Flipと2眼レンズのGalaxy Z Flip5
Libero Flipのカメラはアウトカメラが約5000万画素メイン+約200万画素の深度センサー。インカメラは約1600万画素となります。以下はLibero Flipで撮影し、掲載用に画角を整えたものになります。
特別カメラにこだわったスマホというわけではありませんが、画質は十分。望遠カメラや超広角カメラは非搭載なので、撮影の幅が広いとはいえませんが、価格を踏まえれば満足度は高い仕上がりと感じます。
一方、Galaxy Z Flip5は1200万画素広角+1200万画素超広角の2眼構成。画素数やレンズ数は、カメラ機能に特徴を持つハイエンドモデルと比較すると控えめですが、Galaxyシリーズらしい強めの色味補正や、カメラ機能の豊富さは継承されています。
以下、Libero FlipとGalaxy Z Flip5にて撮影した写真です。掲載用に画角の調節をしていますが、それ以外の修正は行っていません。
3万円台で買えるLibero Flipは折りたたみスマホ入門機としておすすめ
冒頭でも触れた通り、折りたたみスマホは縦折りタイプでも16万円程度が一般的で、ようやく10万円を切る製品が出てきた段階。一般的なスマホとは違う使い方が便利な一方で、普及するには価格がネックでした。
何度もご紹介している通り、Libero Flipは、割引を適用すれば3万9800円で購入可能。割引がない状態でも6万3000円と、ミドルレンジの価格帯で買えるため、これまで折りたたみスマホが気になっていたものの、価格を理由に購入を見送ってきたという人におすすめです。
もちろん、ハイエンドモデルならではの高性能が欲しいという人には、Galaxy Z Flip5のようなモデルもおすすめです。
入門機とはいえ、無段階の角度調節や、サブディスプレイによる操作など、折りたたみスマホを楽しむための基本的な機能は備えられているのに加え、一般的なスマホとしても高コスパといえるスペックなので、スマホとしての実力は充分。
多くの人に試して欲しい1台といえそうです
取材・文/佐藤文彦