2024年1月24日、DIME初のビジネスカンファレンス「DIME Business Trend Summit」が開催された。当日はオンラインでの同時配信も実施。ビジネスの第一線で活躍する著名人が登壇し、様々な視点から新たなヒット商品、サービスを生み出すためのヒントを共有。時代を生き抜くための気づきが詰まったセッションの様子を紹介する。
ビジネスセッション【2】 企業の現場からイノベーションを生むには?
エンジェル投資家の有安伸宏氏、JTのR&D組織でディレクターを務める御神村友樹氏、早稲田大学ビジネススクール教授・入山章栄氏が、それぞれの観点から、日本企業がイノベーションを起こすために必要な考え方を議論する。
入山章栄氏(早稲田大学ビジネススクール教授)
御神村友樹氏(JT D-LAB Director兼 BREATHER株式会社 CEO兼CTO)
有安伸宏氏(エンジェル投資家)
MC:小布施典孝氏(dentsu Japanグロースオフィサー 兼株式会社電通 Future Creative Center センター長)
ユーザーの不満がたまっている市場は、イノベーションを起こしやすい
有安伸宏
ユニリーバジャパンを経て、コーチユナイテッドを創業。現在はエンジェル投資家として日米130社へ出資している。
イノベーションは大企業とスタートアップの連携にあり
入山章栄
三菱総合研究所を経て、国内外ビジネススクールの准教授・教授に就任。現在は社外取締役やメディア出演など幅広く活躍中。
ブレークスルーを起こすには、投資家目線を持つ人との会話も必要
御神村友樹
JTで研究開発員、採用業務を経験。現在は、JTの子会社であるBREATHER株式会社のCEO兼CTOとして活躍している。
MCを務めてくれたのはこの方!
小布施典孝
dentsu Japanグロースオフィサー。電通フューチャー・クリエイティブ・センターのセンター長も兼任している。
長期目線でM&Aも視野に。「市場」の見極めも重要
JTのR&D組織「D-LAB」では、主力産業のたばこに縛られず、研究活動と事業創出を開始。オープンイノベーションを取り入れ、社内外から協力を得ながら新規事業を進め、同社のパーパスである「心の豊かさ」を届けることを目指す。
御神村氏は、新規事業を行なううえでは、長期視点を持つことが大切だと語った。JTでは現在、このパーパスを具現化する手段として「呼吸」に焦点を当てた製品開発を行なっている。
一方で、入山氏は現場でイノベーションに取り組みつつ、M&Aを活用していくことの重要性に視点を向けた。海外の大企業では、スタートアップを社内に取り込み、成長ドライバーとするのが基本。また、M&Aをする際は、長期戦略が必要になるため、役員任期の長期化とコーポレートガバナンスが欠かせないと話す。日本のコーポレートガバナンスは近年改革の兆しが見えており、イノベーションを起こしやすい企業体制となることに海外投資家から期待されているという。
そして起業家としての経験を持ち、エンジェル投資家の有安氏は、起業家の成否を決めるのは「市場」だと語る。ユーザーに不便さがある市場、かつ今後拡大していくかの見極めが重要だと強調。また、イノベーションを生みやすくするには社員の力を発揮させるための制度の整理も必要だと語った。
「心の豊かさ」をテーマにJTが提供する「呼吸する休憩所」。既存の事業だけにとらわれず、パーパスを具現化する方法を考えることがイノベーションを生み出す一歩となった。
ココをアップデート
1〉社外視点を取り入れる
新規事業を行なう際、自前主義ではなかなか難しい。JTのR&D組織D-LABでは、オープンイノベーションで社内外から様々な協力を得る体制を築いている。
2〉長期目線を持った経営層を
イノベーションを起こすには数十年単位の期間が必要。「長期的な視点で戦略を考えるためにも、企業の役員の任期は撤廃すべきだと思います」(入山氏)
3〉アイデアがひらめくのは会議の外
イノベーションは、理詰めだけでは起こせない。脳科学的にも、人間はリラックスした時にアイデア同士がつながり、新しい着想が得られるとされる。
DIME4月号は超実践的なAI活用法をまとめた「AI仕事術」を大特集
日々進化を続けるAIはいよいよ社会に実装されていくフェーズに入ってきました。また、スマホやPCの“オンデバイス”で搭載され始めるなどスゴいスピードで進化を遂げています。
今月のDIMEはそんなAIの仕事での活用をまとめた特集です。話題のマイクロソフト「Copilot」など今すぐ使えるAIの実践的活用法をシーン別にまとめています。
企画書やプレゼンの構成、メールの返信、プロジェクト管理、データの整理、ブレストなど具体的な使用シーンと活用法を様々な識者に取材し、まとめています。
まさにこれ一冊で自分をアップデートできる一冊です!
実は今回は表紙もAIに作ってもらったり、誌面をAIを活用して作ってみるなど編集部としても実験的な試みを実践しています。
また第2特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事のモチベーションをアップしてくれる56冊を選出してもらいました。
役立つ情報が満載の4月号、是非お近くの書店などでチェックしてみてください。
DIME2024年4月号
特集 1 企画書 プレゼン メール スケジュール管理ほか
「タイパが爆上がりするAI仕事術」
「インターネット出現以来の産業革命」、そう言われたChatGPTの登場から1年。
生成AIは今なお進化を続けている。さらに昨年末に発表された「Copilot for Microsoft 365」では「Word」「Excel」などビジネスパーソン必須の
OfficeアプリにまでAIが実装された。
今後、生成AIを使いこなせるかどうかで、仕事の効率は天と地ほどの差が生まれるはずだ。来たる〝AI時代〟で一歩先を行く実践的な活用法をシーン別に細かく解説!
特集 2 作業効率が激変!「AI時代の最新PC 32」
AIプロセッサー「NPU」を搭載し、幅広いビジネスシーンをアシストしてくれる〝AI PC〟が登場し始めた。今、春買い替えるべき最新PCを一挙紹介!
特集 3 DIME読者とマンガ好き10名が選んだ仕事に効く56冊!
「ビジネスパーソンが読むべきマンガ大賞」
マンガは単なるエンターテインメントではなく、現代のビジネスパーソンにとって新たな教科書ともいえる存在だ。
ドラマチックなストーリーを通じて、職場で直面する様々な課題や、人間関係の機微、成功への道のりのヒントを与えてくれる。
今回の特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事に効く56冊を選出してもらった!
<新連載> 気になるあの人の“働く主義”に迫る「ハタラキズム」 第一回 芳根京子さん
〝働くうえでの主義=ハタラキズム〞とは?
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DIME4月号、絶賛発売中!
DIME2024年4月号