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新入社員の皆さんにおすすめしたい「官公庁公開資料検索スキル」の習得

2024.04.11

日本の行政のいいところ、それは必ず資料を一般公開するという点だ。

国・地方自治体にかかわらず日本の行政機関は「大事なことは必ずお知らせする」という基本原則を共有している。これは意外に思われるかもしれないが、たとえば「定例記者会見がこの日に行われ、知事はこう発言した」ということもしっかり記録されて後日PDF資料になって配信される。

このような「公的発表の検索スキル」を身に着ければ、ビジネスでも大いに役立つはずだ。

Xよりも官公庁のサイトを見てみよう!

日本人は世界一X(旧Twitter)が好きな人々として知られている。

井戸端会議レベルの噂話から今現在のトレンド、ニュースチェック、知人との連絡、求人情報の検索まで、ありとあらゆる用途でXを活用してしまう。日本人にとってのXは、もはやSNSの枠を超えているのだ。

が、それ故に「情報源をXに頼ってしまう」というきらいもある。そもそもが短文で完結させるコンセプトの旧Twitterは、速報をキャッチすることには優れていても「そのニュースの全容を把握する」ということはできない設計だ。

それはたとえば、国や自治体が「こういう政策を実施する」「有識者会議でこのような方針を打ち出した」ということを知る場合、情報源がXだけでは大きな誤解をしてしまう可能性が高い。

今話題の「日本型ライドシェア」について、国土交通省が招集した有識者会議でどのようなことが話し合われているのか。こうしたことも、実は国土交通省がちゃんと資料を公開している。

有識者会議の資料は必ず公開される

国交省のライドシェア関連の有識者会議は、「交通政策審議会陸上交通分科会自動車部会」という名称である。以下、「自動車部会」と表記したい。

筆者がこの記事を執筆しているのは2024年4月8日だが、その時点で自動車部会は翌9日に第4回会議を控えている。つまり、過去3回会議が催されているということだ。

開催案内、議事概要、配布資料。それらが国交省公式サイトでPDFファイルという形で誰もが閲覧できる状態になっている。会議参加者の配席図まである。ここで公開されている資料を全てチェックすれば、今現在の国交省がライドシェアに対してどのような姿勢なのかを把握することができる。日本型ライドシェアがどのようなオペレーションを展開するのか、課題や問題点は何か、パブリックコメントにはどのような意見が集まっているのか。それらも資料をしっかり読み込めば、必ずどこかに書かれている。

通路が迷路の図書館

(国土交通省公式サイトより)

ところが、このPDF資料のリンクが記載されているページへたどり着くまでが大変だ。

国交省公式サイトのトップページからはホーム>国土交通省について>審議会・委員会等>交通政策審議会>技術分科会>技術部会の順でクリックすれば閲覧できるが、そもそもこうした予備知識がなければ「審議会・委員会等」のページで挫折してしまうだろう。これは国交省に限った話ではなく、官公庁の公式サイトは多くの場合「チェックしたページにすぐさまタッチできない」設計になっている。

ページ上部の検索機能を使っても、的を得ない検索結果になることも多々ある。これはたとえるなら「通路が迷路になっている図書館」だ。筆者はこのことについてとある新聞社の記者と議論したことがあるが、調べもののプロであるはずの新聞記者ですら官公庁のサイトのややこしい作りには難儀しているという。筆者自身、これから記事に書く有識者会議のPDF資料を探すのに数十分、場合によっては1時間ほど費やした経験がある。

官公庁では「ライドシェア」とは言わない

ただし、そうした煩わしさがあるからこそ「官公庁が公開する一次資料を検索するスキル」が誰でもできるわけではない特殊技能になっている。

資料検索の第一歩は、「行政用語を覚える」ということだ。

ライドシェアは、官公庁ではそのまま「ライドシェア」と呼ばれることは案外少ない。それよりも「自家用車活用事業」という呼び方をされることが多いのだ。従って、Google検索で「自家用車活用事業 国交省 会議」とやれば、見事に上述の自動車部会のページがヒットする。

行政はその事柄の「正式名称」と「俗の呼び方」を明確に区別していて、たとえば電動キックボードも国交省を含めた官公庁では「特定小型原動機付自転車」とされることが大半だ。これは法的区分であると同時に、官公庁にとっては「公の呼び方」。中には「特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)」と記載する省庁もある。ということは、こちらも「電動キックボード」ではなく「特定小型原動機付自転車」と検索したほうが、官公庁の資料置き場にたどり着きやすいということだ。

これらを頭の片隅に入れておけば、ビジネスの場面で役に立つ機会は必ずあるだろう。

【参考】審議会・委員会等-国土交通省

取材・文/澤田真一

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